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進化:鳥類特有のものではなかった非潮汐的な換気

Nature 506, 7488

サバンナオオトカゲ。
サバンナオオトカゲ。 | 拡大する

Credit: Cheryl Ertelt

哺乳類における換気は潮汐的である。つまり、息を吸っては吐くを繰り返すのである。しかし、鳥類の場合、そう単純ではない。鳥類の肺は、空気の流れが一方向性になるように接続された気嚢の大規模なネットワークの一部でしかない。このような配置は飛翔のエネルギー要求に関連していると考えられていたが、類似した系がワニ類に存在することが見つかり、さらに恐竜でもこの系の存在が推定されたため、肺での一方向性の気流による換気は主竜類(鳥類、ワニ類および恐竜類を含むクレード)で出現した可能性が出てきた。しかし、肺での一方向性気流系が、もっと広範囲な生物にまで及んでいる可能性はないだろうか。今回、オオトカゲでの研究から、主竜類の姉妹タクソンである鱗竜類(トカゲ類、ヘビ類など)では、少なくとも換気の一部が潮汐的であることが示された。これは重要な発見であるが、肺での一方向性気流が主竜類および鱗竜類の収斂した特徴であるのか、あるいは両グループの基本的な特徴であるのかはまだ決定されていない。後者であるならば、鳥類の初めての飛翔よりも1億年前に、肺での一方向性の空気の流れが進化したことになる。

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