Nature ハイライト

がん:白血病の前がん過程

Nature 506, 7488

がんは、ほぼ全てがクローン性、つまり単一の変異細胞の子孫であると考えられているが、最初の変異から多数の異なる形態のがんに至る進化経路についてはよく分かっていない。J Dickたちは、急性骨髄性白血病(AML)患者由来の末梢血と骨髄の試料を調べ、多くの割合の患者にDNMT3AmutおよびNPM1cの両方の変異を持つ白血病芽球が存在することを突き止めた。またDNMT3Amut変異はあるがNPM1c変異は見られない前白血病造血幹細胞(HSC)も同様に、多くの患者に存在していた。これらの細胞は、異なる細胞種を生み出す能力を保持しており、そのために正常な造血を維持するが、造血再構築について野生型HSCと競合した場合には優位であり、化学療法による寛解の後にも生存し続けるので、さらなる変異の蓄積と治療抵抗性のリザーバーとして作用している可能性が考えられる。この研究は、前白血病HSCを生み出すDNMT3Aなどの遺伝子の変異が薬剤標的候補であることを示しており、また前白血病クローンの検証と治療が治療抵抗性と戦いの助けとなる可能性を示唆している。

2014年2月20日号の Nature ハイライト

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