Nature ハイライト

古代ゲノム学:古代ゲノムからアメリカ先住民の祖先が明らかに

Nature 506, 7487

アンジック遺跡から出土した尖頭器や両面加工石器、骨製の棒。これら全てには赤黄土の痕跡が見られる。
アンジック遺跡から出土した尖頭器や両面加工石器、骨製の棒。これら全てには赤黄土の痕跡が見られる。 | 拡大する

Credit: Sarah L. Anzick

クローヴィス文化は、約1万3000年前の北米に広く分布した古代の文化で、クローヴィス尖頭器として知られる槍の刃など、独特な石器が特徴である。ただ、これらの石器をどのような人々が作ったのかについては、わずかな情報しかなく、推測の域を出なかった。今回、古代の北米にいたアメリカ先住民個体のゲノム塩基配列が初めて解読され、さらなる研究を進めるための情報が得られた。このゲノムは米国モンタナ州にあるクローヴィス文化のアンジック遺跡の墓地で発掘された幼い男児(Anzick-1)のものである。この部分骨格は約1万2600年前に埋葬されたもので、黄土を塗った多数の石器と一緒に出土した。このゲノムは、現代のアメリカ先住民の祖先に当たる1つの集団に属している。また、このゲノムと南北アメリカのさまざまな先住民集団との類縁関係は全て、他大陸のどの集団とよりも近かった。これらの知見は、クローヴィス人がヨーロッパから移動してきたという仮説を否定するもので、クローヴィス人よりも数千年前にアメリカ大陸にヒトが居住していたという説と一致し、現代のアメリカ先住民が、アメリカ大陸に最初にうまく定住した人々の子孫であることを示している。

2014年2月13日号の Nature ハイライト

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