Nature ハイライト

医学: 自閉症と関連する2つの対照的な変異体

Nature 480, 7375

最近の研究で、自閉症スペクトラム障害やそれに関連する知的障害は、脳のシナプスの可塑性や機能の変化に起因する可能性が示唆されている。このことが今回、結節性硬化症および脆弱X症候群のそれぞれに関連のある単一遺伝子異常を持つマウスを用いた一連の実験によって実証された。この2つの遺伝子疾患は知的障害および自閉症を特徴とする。どちらの変異もニューロンにおけるタンパク質合成の変化との関連が認められることから、同じような治療法が両方に有効だろうと予想された。しかし、これらの変異によって引き起こされたシナプス機能障害と認知障害は、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)5をそれぞれ互いに逆の向きに調節する処置によって改善され、しかも、2つの変異を同時に導入した場合、それらの影響は互いに打ち消される。このことは、この2つの変異がmGluRの活性を最適な範囲から互いに逆の方向へずらすことで、類似した機能障害を引き起こしている可能性を示唆している。

2011年12月1日号の Nature ハイライト

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