Nature ハイライト

考古:ヨーロッパへの初期の人類到達

Nature 479, 7374

解剖学的な意味での現生人類は、4万4,000〜4万2,000年前にヨーロッパに到達したと考えられている。初期人類の存在を示す物的証拠はきわめて少なく、この年代は主に石器群の研究に基づいて見積もられている。今週号の2本の論文では、最新の放射性炭素年代測定法および形態学的分析法を用いて、博物館所蔵の人類標本を再評価した結果が報告されている。Highamたちは、英国のケンツ洞窟内にあるオーリニャック遺跡から出土したヒト上顎骨を分析した。この標本は、1927年に発見され、これまでは約3万5,000年前のものとされていたが、今回、4万4,200〜4万1,500年前のものであることがわかった。この顎骨の歯の形態は、ネアンデルタール人ではなく初期の現生人類のものとしてほぼ間違いないことを示している。またBenazziたちは、イタリア南部にあるウルッツァ遺跡のカヴァッロ洞窟から出土した2本の歯を再分析し、それらがネアンデルタール人のものではなく、4万5,000〜4万3,000年前の現生人類のものであることが明らかだと結論している。この研究からはさらに、ヨーロッパ南部のウルッツァ文化(現生人類のオーリニャック的特徴を持つ文化よりも層序学的に常に下位で発見される)が、最後のネアンデルタール人ではなくヨーロッパ最古の現生人類のものらしいという結論も得られている。

2011年11月24日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度