Nature ハイライト

生態:気候変動に後れをとる低地の森林

Nature 479, 7374

気候変動は植物の種分布に変化を引き起こしているが、変化の起こる速度は局地的な条件に依存する。2009年にNatureに発表された論文(go.nature.com/yuz2we)では、気候変動速度は高地よりも低地のほうが大きいことが明らかにされており、これは気候温暖化に対する後れは、高地の種よりも低地の種のほうが大きい可能性を示唆している。この懸念が、フランスに広がる森林の研究によって証拠立てられた。気温の傾向を、数千種の植物からなる群集を使って再構築した44年間(1965〜2008年)にわたる気温と比較することから、実際の気候と低地の森林の植物群集構成から再現された気温とのずれは、高地の森林の場合の3倍以上となっていることが示された。この知見は、保全政策に影響を及ぼす。気候温暖化で発生が懸念される事態としては、山頂付近での絶滅に注目が集まってきたが、森林植物群集の慣性は、低地森林の生態系に属する種も危機に直面していることを示唆している。

2011年11月24日号の Nature ハイライト

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