Nature ハイライト

遺伝:遺伝子における予測可能性

Nature 480, 7376

遺伝子決定論に限界があることは、臨床でも(一卵性双生児での遺伝学的病変の転帰が同一ではないことから)、また実験においても(同質の環境下であっても、変異によって同系動物間にさまざまな影響が生じることから)、ずっと以前から明らかだった。そうだとしても、個体の表現型は予測可能かもしれないと考えたB Lehnerたちは、発生中の動物で変異の帰結を直接予測する方法を考案した。非侵襲的な、蛍光を用いる方法によって、線虫(Caenorhabditis elegans)の胚発生過程での遺伝子発現のゆらぎを監視し、各胚の分子ノイズとその胚に対応する成体の表現型を後ろ向きに比較したのである。そして、密接に関係する遺伝子間に生じる調節補償作用と、シャペロンなどの一般的な調節因子がかかわる調節補償作用が明らかになった。こうした補償の強さによって、動物ごとの成体表現型が予測される。

2011年12月8日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度