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古生物学:明らかになった最初期の鋏角類

Nature 573, 7775

現生の鋏角類であるサソリ類。
現生の鋏角類であるサソリ類。 | 拡大する

Creidt: Tim Flach / Stone / Getty Images Plus

鋏角類は、節足動物(関節のある付属肢1対を備えた体節を複数持つ動物群)を構成する主要な動物群である。現生の鋏角類にはクモ類、サソリ類、ダニ類、ウミグモ類などが含まれるが、かつてはこの他に、さまざまな絶滅種が数多く存在した。鋏角類の起源については議論が続いている。今回C AriaとJ Caronは、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の中期カンブリア紀の有名なバージェス頁岩から得られたMollisonia類の一種について化石を調べ直し、最初期の鋏角類がどのような動物だったかを解き明かしている。新たな化石標本からは、鋏角類を定義付ける特徴的な鉤爪様の鋏角の他、鰓や神経系の構造など、これまでほとんど知られていなかった数々の特徴が明らかになった。総合すると今回の化石は、鋏角類の全般的な定義を改善するものである。

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