Perspective

生体分子凝縮体の調節:創薬の新しいアプローチ

Nature Reviews Drug Discovery 21, 11 doi: 10.1038/s41573-022-00505-4

膜のない集合体である生体分子凝縮体は、細胞内環境でそれぞれ独自の特性を有する特定のタンパク質と核酸を区画に分けることで、多くの細胞機能において重要な役割を果たしていることが過去10年間にわたって報告されている。また、生体分子凝縮体に関しては、単相系が特定の生体分子の凝縮相と希薄相からなる二相系に脱混合される相分離によって形成されることが多いという見解を裏付ける証拠が増えている。正常な細胞状態と異常な細胞状態における凝縮体の機能と凝縮体形成の機構に関する新しい学説は、ヒトの疾患に関する新たな識見となり、新しい治療機会を示している。このPerspectiveでは、そのような識見が、凝縮体修飾治療薬(c-mod)の特定に基づいた未開拓の創薬手法を可能にするかもしれないという考えを示し、関連する戦略、技術と課題を論じる。

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