Research press release

エネルギーに変換された情報

Nature Physics

Information converted to energy

情報はエネルギーに変換できる。このことが、Nature Physics(電子版)で報告されている実験で実証されている。この研究は、過去150年の間賛否両論の議論が行われてきた思考実験を実践したものだ。

佐野雅己(東京大学)たちは、熱力学の法則を破っているように思われる盛んに論議されたアイデアを調べるために、統計力学と情報処理の関係を探っている。19世紀の中頃にジェームズ・クラーク・マックスウェルは、仮説上の知性が、気体の状態に関する詳しい知識を用いて、熱くてエネルギーの高い分子と冷たくてエネルギーの低い分子を分離できると示唆した。これは、熱から仕事を抽出できることを示しているが、熱力学的には禁じられている。最近の研究で、エネルギーを得るのに使われているのは系に関する情報であることが示されている。

これまで、マックスウェルのアイデアは理論的な仮構のままであったが、佐野たちは、そのような情報からエネルギーへの変換を実験的に実証している。

Information can be transformed into energy, demonstrates an experiment reported online this week in Nature Physics. This work puts into practice a thought experiment that has been discussed controversially during the past 150 years.

Masaki Sano and colleagues explore connections between statistical mechanics and information processing in order to study a much debated idea which appeared to violate the laws of thermodynamics. James Clerk Maxwell suggested in the mid-nineteenth century that a hypothetical intelligence can use a detailed knowledge about the state of a gas to separate hot, energy-rich molecules from cooler, low-energy ones. This suggests that work can be extracted from heat, something that is thermodynamically forbidden. Later work showed that it is the information about the system this is used to gain energy.

Until now Maxwell’s idea has remained a theoretical construct, however, this team demonstrate such an information-to-energy conversion experimentally.

doi: 10.1038/nphys1821

「注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したプレスリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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