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出生前スクリーニング:異質な病因からなる遺伝的疾患に対して行う無細胞DNAによる前向き出生前スクリーニング

Nature Medicine 30, 2 doi: 10.1038/s41591-023-02774-x

無細胞DNA(cfDNA)による出生前スクリーニングでは、妊婦の末梢血中に循環している胎児由来の細胞外DNAを用いて、一般的に見られる胎児染色体異常を検出する。しかし、原因となる単一遺伝子欠損を伴う多くの重症な疾患は、現行の出生前cfDNAスクリーニングに含まれていない。今回の前向き多施設観察研究では、遺伝的疾患リスクが高い胎児を持つ妊婦が、COATE-seq(coordinative allele-aware target enrichment sequencing)に基づくcfDNAスクリーニング検査に登録された。この検査は、最も頻度の高い病因性遺伝的変化である異数性、微小欠失、単一遺伝子変異の3種類を含んでいる。このcfDNAスクリーニングの結果は、適格参加者1090人に対する出生前あるいは出生後の侵襲性診断検査の結果と比較された。包括的cfDNAスクリーニングでは、135人の妊婦で遺伝的変化が検出され、標準的な診断と比較して、感度は98.5%、特異度は99.3%だった。超音波検査で形態異常の疑いのあった胎児876人では、包括的cfDNAスクリーニングによって、55例(56.1%)の異数体、6例(6.1%)の微小欠失、37例(37.8%)の単一遺伝子性の病的バリアントが見つかった。染色体異常に加えて、標的になっている単一遺伝子疾患を含めると、検出率は60.7%(61例から98例)まで増加した。まとめるとこれらのデータは、包括的cfDNAスクリーニング検査は、リスクの高い妊娠において、非侵襲的な方法によって、染色体と単一遺伝子疾患の両方について、胎児の病的バリアントを正確に特定できるという予備的な証拠を示し、これは、異質な分子的病因からなる重症の遺伝的疾患に関する胎児リスクの出生前評価を改善する可能性がある。ClinicalTrials. gov登録: ChiCTR2100045739。

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