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リキッドバイオプシー/肺がん:非小細胞肺がんにおけるペムブロリズマブ後のctDNA解析による奏効予測/評価 ― アダプティブデザイン第2相試験の結果

Nature Medicine 29, 10 doi: 10.1038/s41591-023-02598-9

血中循環腫瘍DNA(ctDNA)は、免疫療法に対する一次耐性を捉える際に効果を発揮することが示されている。BR.36試験は、ctDNAを指標とする多施設無作為化第2相試験で、肺がん患者を対象とした免疫-化学療法について、分子的奏効に基づくアダプティブデザインを用いている。BR.36試験は独立した2段階からなり、ステージ1では、進行性非小細胞肺がん患者50人が標準治療としてペムブロリズマブを投与された。ステージ1の主要評価項目は、ctDNA解析による応答を確認し、この応答で奏効評価を行う最適なタイミングと、この応答が放射線画像のRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)評価による奏効と一致するかどうかを決定することである。副次評価項目には、ctDNA解析による応答で奏効評価が可能になるまでの期間の評価、無増悪生存期間や全生存期間との相関が含まれる。ペムブロリズマブ治療の3サイクル目の時点で変異型対立遺伝子の割合の最大値(maxMAF)が0になることを、分子的奏効(mR)とした。この試験の主要評価項目は達成され、ctDNA解析による応答は、RECIST評価による奏効に対して、感度が82%(90%信頼区間〔CI〕:52~97%)、特異度が75%(90%CI:56.5~88.5%)であった。ctDNA解析による応答で奏効評価が可能になるまでの期間の中央値は2.1カ月(90%CI:1.5~2.6)であり、mRの患者は、より長い無増悪生存期間(5.03カ月対2.6カ月)と全生存期間(未到達対7.23カ月)を達成した。これらの結果は、BR.36試験のステージ2である、進行リスクのある患者を強化療法群または治療継続群に無作為に割り付ける、ctDNAを指標とした奏効評価に基づくアダプティブデザインの介入試験に取り入れられる。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04093167。

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