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異所性骨化:進行性骨化性線維異形成症に対するガレトスマブ ― 無作為化二重盲検プラセボ対照第2相試験

Nature Medicine 29, 10 doi: 10.1038/s41591-023-02561-8

進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia ossificans progressiva:FOP)はまれな疾患で、結合組織における異所性骨化(heterotopic ossification:HO)と、当該部位でのつらい熱感や痛み(フレアアップと呼ぶ)を特徴とする。第2相LUMINA-1試験の期間1(28週間)では、FOP成人患者をアクチビンA阻害抗体であるガレトスマブ群(n = 20)またはプラセボ群(n = 24)に無作為に割り付けた。続いて、期間2(28週間、n = 43)では非盲検試験を実施した。主要評価項目は安全性と、期間1の場合はHO病変の活動性とサイズであった。全ての患者が期間1の治療期間中に発生する有害事象を少なくとも1つ経験し、特に鼻出血、睫毛眉毛脱落症、皮膚膿瘍が発症した。死亡例は5例(44例中5例、11.4%)で、期間2の非盲検期間中に発生した。この事実は治療との関連性は低いと考えられるものの、因果関係は否定できない。期間1では主要有効性評価項目(PET-CTで評価された総病変活動性)は達成できなかった(P = 0.0741)。期間1で新たなHO病変の発生の抑制を認めたため、期間2での主要有効性評価項目は、新たなHO病変の発生数の期間1との比較へとあらかじめ変更された。プラセボ群からガレトスマブ群に移った患者において、新たなHO病変が発生した患者の割合は、期間1が40.9%であるのに対し、期間2では0%であった(P = 0.0027)。FOPにおけるガレトスマブの効果についてのさらなる研究が進行中である。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03188666。

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