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心機能障害:スマートウォッチによって可能になった左心室機能不全検出の前向き評価

Nature Medicine 28, 12 doi: 10.1038/s41591-022-02053-1

人工知能(AI)アルゴリズムは心機能障害(12リード心電図により駆出率〔EF〕40%未満として定義される)を識別できることが示されているが、スマートウォッチの単一リード心電図による心機能障害の検出については、まだ検証されていない。本研究は、メイヨークリニックの患者での前向き研究であり、参加した患者はスマートウォッチ心電図を送信するメイヨークリニックiPhoneアプリを安全なデータプラットフォームにダウンロードするように電子メールで求められる。我々は、この研究用アプリを使っての患者の参加と心電図の診断ユーティリティーについて検討を行った。米国の46の州と11カ国からデジタル登録され、重複者を除いた患者数は2454人(平均年齢53 ± 15歳、女性56%)であり、これらの患者によって2021年8月から2022年2月までの期間にデータプラットフォームに12万5610件の心電図が送信された。421人の患者が、心臓超音波検査を行ってから30日の期間内に、スマートウォッチが分類した洞調律心電図を少なくとも1回取得しており、そのうちの16人(3.8%)でEFが40%未満だった。AIアルゴリズムは低EF患者を、30日という期間内の平均予測を用いた場合は曲線下面積(AUC)0.885(95%信頼区間〔CI〕0.823–0.946)で、EFを決定した心エコー図に対して直近の心電図を用いた場合はAUC 0.881(CI 0.815–0.947)で検出した。これらの知見は、消費者向けのスマートウォッチによって非臨床環境で取得された心電図が、命を脅かしかねないが無症状のことが多い心機能不全を抱える患者を見つけ出すのに使えることを示している。

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