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プレプリントの台頭:COVID-19パンデミックで実現した迅速なデータ共有は科学のこれからを全面的に変えた

Nature Medicine 28, 1 doi: 10.1038/s41591-021-01654-6

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスに関するガイダンスを発表した数日後には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての最初のプレプリントがオープンアクセスサーバーに登場した。新しい病原体に関する情報がほとんどない場合、入手可能な情報は非常に重要だが、その後、短期間に膨大な数のプレプリントが共有されるようになると、今度はその管理が困難になった。査読のないプレプリントの中には疑わしい内容の研究も含まれるため、科学的完全性についての懸念が生じている。だが、プレプリントが何の情報もない闇の時代に導きの光を投げ掛けることも事実である。危機に際し、データ共有が高速化されることで、研究者たちはフィードバックによって研究を改善できるからだ。オープンサイエンスを推進するには、完全なデータ共有、基礎であれ臨床であれ試験開始前の研究プロトコルの公開、透明性と説明責任といった、研究の質を向上させるための努力が必要である。

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