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がん治療:前立腺がんの診断とグリーソン分類のための人工知能:PANDAチャレンジ

Nature Medicine 28, 1 doi: 10.1038/s41591-021-01620-2

生検での前立腺がん診断では、人工知能(AI)の有用性が示されてきている。しかし、それらの結果は個別の研究にとどまり、世界規模での検証は行われていない。コンペティションは医用画像の革新を加速させることが示されている一方、再現性の低さや個々に検証が行われているために、その効果は十分に示されていない。我々はこの点を考慮し、PANDAチャレンジを企画した。これは、1290人の開発者が参加したこれまでで最大の病理組織診断のコンペティションで、1万616のデジタル化した前立腺がん生検試料を用いて、グリーソン分類のための再現性のあるAIアルゴリズムの開発を促進することが目的である。我々は、提出されたアルゴリズムの多様なセットの中から、独立した大陸間コホート(アルゴリズム開発者には全く情報が与えられていない)に対して病理医レベルの成績に達したものを検証した。それらのアルゴリズムは、米国とヨーロッパの外部検証セットでは0.862[2次の重み付きκ係数、95%信頼区間(CI) 0.840~0.884]、泌尿器病理専門医では0.868(95%CI 0.835~0.900)という診断一致性が得られた。多様なアルゴリズム手法によって、さまざまな患者集団、検査室、診断基準を横断する一般化が成功し、この結果から、今後の臨床試験でAIに基づくグリーソン分類の評価を行うことの根拠が得られた。

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