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乾癬:皮膚が恒常的状態と損傷状態にある場合のグルコース要求性の差異から明らかになった乾癬の治療標的

Nature Medicine 24, 5 doi: 10.1038/s41591-018-0003-0

増殖中の細胞のグルコースへの依存性は、静止状態の細胞よりも高くなっている。角化細胞でのグルコース輸送は主にGlut1促進性輸送体によって行われるが、角化細胞特異的にGlut1を除去しても、マウス皮膚の発生や恒常性には欠陥が生じないことが分かった。ex vivoでの代謝プロファイリングから、Glut1欠損角化細胞ではスフィンゴ脂質、ヘキソース、アミノ酸、ヌクレオチドの代謝の変化が起こっていることが明らかになり、代謝適応が生じたと考えられた。しかし、Glut1欠損培養角化細胞は代謝ストレスと酸化ストレスを示し、増殖が障害された。同様に、創傷あるいはUV損傷を受けたマウス皮膚内の角化細胞では、Glut1欠損がin vivoでの分化や移動を障害した。乾癬様疾患のマウスモデルでは、遺伝的および薬理学的なGlut1不活化は共に過形成を低下させた。これらのモデルでは、Glut1阻害剤の局所投与も炎症を軽減させた。ヒトの乾癬皮膚オルガノイドでは、Glut1の阻害は乾癬の病因に関連する遺伝子の発現を低下させた。従って、Glut1は角化細胞の損傷および炎症に関連して起こる増殖に選択的に必要とされており、その阻害は乾癬の新しい治療戦略になると考えられる。

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