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免疫:インターロイキン9を産生する2型自然リンパ球による炎症の終息

Nature Medicine 23, 8 doi: 10.1038/nm.4373

関節炎などの炎症性疾患は、自然に終息することのない慢性的な病態である。関節炎を引き起こすサイトカインや細胞経路はよく調べられているが、炎症の終息をもたらす経路などについては解明が不十分である。我々は今回、インターロイキン9(IL-9)を産生する2型自然リンパ球(ILC2)が慢性炎症の終息を協調させる分子経路および細胞経路のメディエーターであることを突き止めた。マウスでは、IL-9が存在しないとILC2の増殖や制御性T(Treg)細胞の活性化が障害され、過度の軟骨破壊や骨量の減少を伴う慢性関節炎が引き起こされた。逆に、IL-9の投与はILC2依存性のTreg細胞活性化を促進し、炎症の終息や骨の保護を効果的に誘導した。寛解期にある関節リウマチの患者では、関節や循環血中にIL-9+ ILC2が多数存在していた。従って、IL-9を介するILC2活性化の促進は、炎症応答を抑制するのではなく、炎症の終息を誘導する新規な治療戦略となると考えられる。

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