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免疫:CX3CR1+単球は学習と学習依存的でTNF-αを介する樹状突起棘リモデリングを変化させる

Nature Medicine 23, 6 doi: 10.1038/nm.4340

全身性の感染や炎症の間には、学習や認知機能の障害が生じることが多い。感染の際に行動や認知がこうむる影響は自然免疫系の活性化と結びつけられてきたが、その基盤となる機構についてはほとんど明らかにされていない。本論文では、二本鎖RNAの合成アナログであるポリ(I:C)を使ってウイルスによる免疫活性化状態を模倣した上で、マウスの一次運動野での第V層錐体神経細胞のシナプス後樹状突起棘の縦断面の画像化を2光子顕微鏡を用いて行った。末梢での免疫の活性化は、マウスで樹状突起棘の喪失、樹状突起棘の学習に依存した形成の障害に加えて、多数の学習課題の遂行にも障害を引き起こすことが明らかになった。皮質で観察されたこのようなシナプス変化は、末梢の単球由来細胞によって引き起こされ、中枢神経系でのミクログリアの機能は必要とされなかった。さらに、CX3CR1highLy6Clow単球の活性化は、腫瘍壊死因子α(TNF-α)に依存する機構を介して運動学習、および学習に関連する樹状突起棘可塑性に障害をもたらした。我々の結果は、CX3CR1high単球とTNF-αが、感染によって引き起こされる認知機能障害を防止するための治療標的候補であることを明確に示している。

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