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ワクチン:ジカウイルス弱毒化生ワクチン候補はマウスモデルで完全排除型の免疫を誘導する

Nature Medicine 23, 6 doi: 10.1038/nm.4322

妊婦のジカウイルス(ZIKV)感染は、乳児に小頭症などのさまざまな先天性異常を引き起こす可能性があり、このような症状は現在ではまとめて先天性ZIKV症候群と呼ばれている。ZIKV感染が流行している地域や地方病となっている地域の在住者、あるいはそのような地域への旅行者で妊娠している女性には、ウイルス血症を予防、あるいは大幅に軽減するためのワクチンが先天性ZIKV症候群防止のために必要である。また、ワクチンは流行性伝播を抑制するのにも役立つだろう。本論文では、ZIKVゲノムの3′非翻訳領域中に10塩基の欠失を含む弱毒化生ワクチン候補(10-del ZIKV)について報告する。Ⅰ型インターフェロン受容体が欠損したA129マウスで、10-del ZIKVは高度な弱毒性、強い免疫原性および防御性を示した。10-del ZIKVの単回投与によって、飽和レベルの中和抗体力価を示す完全排除型の免疫が誘導され、この力価は流行中のZIKV株のチャレンジ感染によってもそれ以上増加せず、ウイルス血症が完全に防止されたことは重要である。また、免疫されたマウスでは、強力なT細胞応答が見られた。1日齢の免疫応答性CD-1マウスでは、1×104 IFU(infectious focus unit)の10-del ZIKVを頭蓋内接種しても死亡することはなかったが、10 IFUの野生型ZIKVによる感染は致死的だった。10-del ZIKVの弱毒化の機序はおそらく、ウイルスRNA合成の低下とⅠ型インターフェロンによる阻害に対する感受性の上昇と考えられる。弱毒化された10-del ZIKVは、血液に添加して蚊に経口摂取させても、蚊が感染することはなく、これによりさらなる安全性が確保される。まとめると、この有望なジカウイルス弱毒化生ワクチン候補の安全性と有効性に関する今回の結果は、このワクチンの開発をさらに進めることの正当な理由となる。

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