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がん:p53はNEAT1 lncRNAを含むパラスペックル形成を誘導し、これが複製ストレス応答や化学療法感受性を調整する

Nature Medicine 22, 8 doi: 10.1038/nm.4135

p53腫瘍抑制因子経路は多面的で、しばしば拮抗的となる細胞応答を誘導する。我々はp53経路のメディエーターを探索し、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)のNEAT1を明らかにした。NEAT1はパラスペックル核小体の不可欠な構造要素で、その病態生理学的関連性は分かっていない。マウスやヒトの細胞では、p53の薬理学的活性化、あるいはがん遺伝子誘発性の複製ストレスによる活性化が、パラスペックル形成を促進した。マウスでのNeat1発現のサイレンシングはパラスペックル形成を防止し、また前がん細胞をDNA損傷誘導性の細胞死に感受性とし、皮膚の腫瘍形成を抑制した。NEAT1は複製ストレスに応答してATRシグナル伝達を促進し、がん遺伝子依存性のp53活性化を減弱させる負のフィードバックループに関与するという機構的証拠が得られた。確立されたヒトがん細胞株でのNEAT1標的化は、PARP阻害剤などの遺伝毒性のある化学療法剤やp53の遺伝毒性のない活性化による合成致死を誘導した。本研究は、NEAT1パラスペックル、p53の生物学的性質、腫瘍形成の間の重要な遺伝的結びつきを確立し、また、NEAT1が化学療法とp53再活性化療法の両方へのがん細胞の感受性を上昇させる有望な標的であることを明らかにしている。

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