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がん:アセチルCoAカルボキシラーゼの阻害は前臨床モデルで脂肪酸合成と非小細胞肺がんの腫瘍増殖を抑制する

Nature Medicine 22, 10 doi: 10.1038/nm.4181

de novo脂肪酸合成の持続はがんの一般的な特徴で、増殖中の腫瘍の生合成要求を満たすのに必要とされる。この過程は律速酵素アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)によって制御されており、ACCは薬剤標的として関心を集めてきたが、標的として非常に扱いにくいことが従来から知られている。今回我々は、前臨床モデルで非小細胞肺がん(NSCLC)細胞の増殖と生存に必要なde novo脂肪酸合成の維持にACCが必要とされることの、遺伝学的および薬理学的証拠を示す。ACC酵素群に属するACC1およびACC2に対するアロステリック阻害剤(ACCサブユニットの二量体化を阻害する)の1つであるND-646は、in vitroおよびin vivoで脂肪酸合成を抑制できることが分かった。NSCLCの異種移植マウスモデルおよび遺伝子改変マウスモデルで長期的なND-646投与を行うと腫瘍増殖が阻害された。NSCLCのKras; Trp53−/−(別名KRAS p53)マウスモデルおよびKras; Stk11−/−(別名KRAS Lkb1)マウスモデルでは、ND-646の単剤投与あるいは標準治療薬カルボプラチンとの併用投与によって肺腫瘍の増殖が顕著に抑えられた。これらの知見は、ACCがNSCLCの代謝的な弱点に関わっていて、ND-646によるACCの阻害がNSCLCの増殖に有害であることを実証しており、腫瘍治療におけるACC阻害剤の使用についてさらなる研究が必要であることを裏付けている。

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