Letter

エイズ:V1V2を標的としたHIV-1広範囲中和抗体の成熟を開始・促進するウイルスバリアント

Nature Medicine 21, 11 doi: 10.1038/nm.3963

広範囲中和抗体(bNAb)の誘導は予防的HIV-1ワクチンに必須であると考えられるが、これが予防的な免疫処置によって達成されたことはない。対照的に、HIV-1感染者の一部では慢性感染の間に自然にbNAb応答が開始されるので、数年にわたる成熟が中和範囲を広げるのに必要なのかもしれない。最近の研究では、bNAbの出現に先立ってウイルスの多様化が見られることが示されているが、この知見の意味するところは分かっていない。本論文では、重複感染者から単離した33のモノクローナル抗体(mAb)からなるCAP256-VRC26ファミリーの中和範囲拡大を促進する重要なウイルス関連事象について述べる。我々はまず、bNAb開始エンベロープと名付けた、少数派のウイルスバリアントを見つけ出した。これらは伝播/ファウンダー(T/F)ウイルスのどちらとも異なり、bNAb前駆体に効率よく会合する。次いで、大規模塩基配列解読によって、抗体系列のより広い範囲のメンバーによって優先的に中和される多様なエピトープバリアント(免疫型)のプールが明らかになった。対照的に、このような免疫型を中和できない「行き止まり」型の抗体のサブ系列は進化が制限され、中和範囲拡大が起こらなかった。従って、抗体とウイルスの重要な接触部位で初期に起こるウイルスのエスケープによってこうした変化を許容できる抗体サブ系列が選択され、これが発達する抗体系列中で中和範囲拡大が起こる機序となると考えられる。

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