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微生物学:ヒト腸ウイロームおよび細菌マイクロバイオームの若年期動態

Nature Medicine 21, 10 doi: 10.1038/nm.3950

乳児期から幼児期は免疫の発達に重要であり、成人期の健康に影響を及ぼす。腸の細菌マイクロバイオームが出生後迅速に獲得されることは確証されているが、バクテリオファージや真核生物RNA、DNAウイルスから構成されるウイルスマイクロバイオーム〔すなわちウイローム(virome)〕の出生後数年間の状態についてはよく分かっていない。今回我々は、乳児期の健康な双生児からなる縦断的コホートで腸のウイロームと細菌マイクロバイオームの特性を調べた。乳児のウイロームと細菌マイクロバイオームは、双生児の間では、血縁関係のない乳児の間よりもよく似ていた。出生から2歳までの間に、真核生物ウイロームと細菌マイクロバイオームは拡大したが、これに伴ってバクテリオファージウイロームの組成における多様性の低下と移行が起こった。バクテリオファージと細菌の関係は出生時に始まり、多様な捕食者と多様でない被食者に向かう動態を示し、これはロトカ・ヴォルテラ被食者モデルに一致する。従って、成人に観察される安定なマイクロバイオームとは対照的に、乳児のマイクロバイオームは非常に動的で、細菌、ウイルスやバクテリオファージの組成に加齢に伴って生じる早期の変化と相関している。

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