Review

神経変性疾患:神経変性疾患で見られる病原性タンパク質の細胞間伝播

Nature Medicine 20, 2 doi: 10.1038/nm.3457

疾患特異的なタンパク質から形成され、βシートに富むアミロイド凝集体の沈着は、多くの神経変性疾患に共通する特徴である。このようなタンパク質凝集体は、直接的あるいは間接的に神経機能障害を引き起こすと考えられている。最近の研究では、誤った折りたたみ方をされたタンパク質の細胞間での伝搬が、多様な神経変性疾患の発症や進行の共通した機序であることが強く示唆されている。また、新たに得られた証拠から、疾患タンパク質の種類ごとにコンホメーションが異なる型(strain)が複数存在していて、これがアミロイド凝集体に共通するもう1つの特徴であると考えられるようになってきた。これによって、神経変性疾患の各タイプ内に見られる、病態などの著しい不均一性を説明できるかもしれない。解明されていない問題はこの他にも多いが、これらの研究は神経変性疾患への治療介入に向けた新たな道を開いたといえる。

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