Community Corner

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扁平上皮がんのルーツをたどる

Nature Medicine 17, 6 doi: 10.1038/nm0611-668

最近、さまざまな種類のがんで「起始細胞」を特定することに大きな関心が集まっている。起始細胞とは、腫瘍形成過程において、がんを促す最初の変異を獲得した細胞をさす。LapougeたちとWhiteたちの2つのチームによる新しい研究で、皮膚がんの中で2番目に多く見られる扁平上皮がん(SCC)の細胞の起源が報告され、これによって、起始細胞をめぐって続いている論争はさらに激しさを増すことになった。2つのチームはマウスで、皮膚細胞内のさまざまな区画で腫瘍形成性のRasを発現させ、腫瘍抑制因子p53を欠損させることで、SCCの発がん開始をモデル化した。腫瘍形成の開始は毛嚢幹細胞とその直後の子孫細胞からだけで、発生能にもっと制約がかかっているTA細胞(transit-amplifying cell)から開始されることはなかった。これらの研究がヒトのSCC形成の解明にどのようにかかわってくるのか、専門家に尋ねた。

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