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マラリア:マラリアにおける重複感染の宿主を介した調節

Nature Medicine 17, 6 doi: 10.1038/nm.2368

マラリア伝播率の高い地域では、すでに血液段階に入っている寄生虫血症罹患者に、肝臓指向性のマラリア原虫(Plasmodium)スポロゾイトを蚊が繰り返し伝播する。これにより、5歳以上の部分的に免疫を獲得した小児(出生時からマラリア原虫感染に曝露され続けているため、末梢血では低レベルの寄生虫血症状態を呈するが、さらなる感染が可能である)で、無症候性の寄生虫血症であって、異なる遺伝子型の寄生虫を同時に保持しているという状態が生じる。重複感染では、ほとんど免疫を獲得していない場合には重度の寄生虫血症や死亡のリスクが高まるが、予想に反してこういうことは若年齢者ではあまり見られない。本論文では、最低閾値を超えたレベルで血液段階感染が持続しているマウスモデルでは、続いて接種されたスポロゾイトの増殖が障害され、肝臓肝細胞内でスポロゾイト増殖が停止して、血液段階に成長できないことを示す。肝臓段階の感染の阻害は、宿主の鉄調節ホルモンであるヘプシジンによって仲介される。ヘプシジンの合成は血液段階の寄生虫によってその密度に依存して促進されることがわかった。我々はこの現象を数学的にモデル化し、肝臓段階のマラリアに対する密度依存的防御が、年齢に関連するリスクの疫学的パターンや低年齢小児に見られるマラリア感染の複雑性を明確に表せることを示す。マラリア原虫感染のこの2段階と宿主の鉄代謝の間の相互作用は、マラリア伝播を減少させるための世界的な取り組みや、マラリア流行地での鉄分補給プログラムの評価に関係している。

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