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繊維形成:lysyl oxidase-like-2タンパク質のアロステリック阻害は病的な微小環境の発生を妨げる

Nature Medicine 16, 9 doi: 10.1038/nm.2208

我々は、マトリックス酵素であるLOXL2(lysyl oxidase-like-2)が、がんや繊維化疾患の病的な微小環境の構築や維持に今まで知られていなかった役割を担っていることを明らかにした。ヒトの腫瘍、繊維化した肺や肝臓の組織生検の解析から、疾患に関連した間質ではLOXL2発現が上昇しており、健常組織では発現が抑制されていることがわかった。LOXL2を標的とする阻害性モノクロナール抗体(AB0023)は、がんの原発性および転移性異種移植モデルの両方で有効であり、また肝臓や肺の繊維症モデルでも効果がみられた。また、LOXL2の阻害によって、活性化繊維芽細胞、繊維形成と内皮細胞の顕著な減少、増殖因子やサイトカインの産生低下、トランスフォーミング増殖因子β経路のシグナル伝達低下が引き起こされた。AB0023は、リシルオキシダーゼの小分子阻害剤であるβ-アミノプロプリオニトリルより優れていた。LOXL2特異的に働くAB0023が示す有効性と安全性は、がん性疾患や繊維化疾患に広い適用性をもつ新しい治療手段となることを示している。

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