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癌:デス受容体のO-グリコシル化は腫瘍細胞のアポトーシス誘導リガンドApo2L/TRAILに対する感受性を制御する

Nature Medicine 13, 9 doi: 10.1038/nm1627

Apo2L/TRAILは、アポトーシス誘導受容体DR4およびDR5を介して癌細胞の細胞死を引き起こすが、このリガンドに対する腫瘍の感受性を決定する因子についてはよくわかっていない。ペプチジルO-グリコシルトランスフェラーゼ GALNT14のmRNA発現は、膵臓癌、非小細胞肺癌およびメラノーマ細胞株でのApo2L/TRAIL感受性と相関があり、さまざまなヒト悪性腫瘍標品の最大30%でGALNT14の過剰発現がみられた。GALNT14に対するRNA干渉によって細胞のApo2L/TRAIL感受性は低下したのに対し、GALNT14過剰発現では応答性が上昇した。DR5の生化学的解析から、エクトドメインにある複数のO-(N-アセチルガラクトサミン−ガラクトース−シアル酸)構造が同定された。配列比較から、保存されたO-グリコシル化部位がDR4とDR5の細胞外にあることが予測され、DR5のこれらの部位に連続的に変異を導入するとアポトーシスシグナル伝達が減弱した。O-グリコシル化は、リガンド刺激によるDR4とDR5とのクラスター化を促進し、これを介してアポトーシスの開始プロテアーゼであるカスパーゼ8の動員と活性化が起こった。これらの結果は、デス受容体のO-グリコシル化とアポトーシスシグナル伝達との新たなつながりを明らかにするもので、ここからApo2L/TRAILを用いた癌治療のための予測バイオマーカーが得られる可能性がある。

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