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卵巣がん:高悪性度漿液性卵巣がんで明らかになったクローンの拡散と腹腔内混在についての多彩な機序

Nature Genetics 48, 7 doi: 10.1038/ng.3573

高悪性度漿液性卵巣がん(7人の患者由来の68検体)について系統解析を行い、複数の腹腔内部位における構成クローンを特定し、その相対的存在量を示した。全ゲノム塩基配列決定および単核塩基配列決定によって進化的な過程を解析し、クローンの変遷パターンを決定する変異の除去、構造ゲノムの収斂進化、変異形成過程の一時的な活性化について調べた。続いて、各腫瘍検体を構成するクローンの正確な混在状態を求めた。大部分の部位ではクローンの混在がない、すなわち系統的にただ1つのクレード由来のクローンから構成されていた。しかしどの患者も、多系統クローンから構成されている部位を少なくとも1つは持っていた。単一クローン構成の患者5人では、卵巣から腹腔内部位への一方向性の播種が認められた。また、2人の患者では多クローンの播種および再播種が明らかになった。今回得られた知見は、腹腔内クローンにおいて少なくとも2つの機序が作動していることを示しており、高悪性度漿液性卵巣がんを構成するクローン集団がどのように移動し分布するか、その可能性を明らかにするものである。

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