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乾癬:乾癬にかかりやすくなるコード領域の多様性に関する大規模なスクリーニング

Nature Genetics 46, 1 doi: 10.1038/ng.2827

機能的なコード領域配列の多様性と乾癬との関係を調べるために、中国人集団の乾癬症例781例および対照676例において、エキソーム配列決定によりゲノム全体にわたる非同義の一塩基多様体(SNV)を解析し、さらに追試による検証として、1,326個の候補遺伝子について、中国人集団の乾癬症例9,946例および対照9,906例において、標的塩基配列決定を行った。その結果、ゲノムワイドな有意水準で乾癬に関連する、2個の独立した低頻度ミスセンスSNVをIL23RおよびGJB2に、また、5個の高頻度ミスセンスSNVをLCE3DERAP1CARD14ZNF816Aに発見した。FUT2およびTARBP1のまれなミスセンスSNVにも、関連を示唆する証拠が観察された。非同義SNVの単一バリアント解析および遺伝子を基盤とする関連解析から、標的塩基配列再決定を行った領域に乾癬に関連する新しい遺伝子は同定されなかった。このことから、標的塩基配列決定した遺伝子1,326個に含まれていたコード領域の変化は、乾癬の総合的な遺伝的リスクの限定された部分にしか関係しないことが示唆された。

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