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小児急性白血病:遺伝性のGATA3変異が小児のPh類似急性リンパ芽球性白血病とその再発リスクと関連

Nature Genetics 45, 12 doi: 10.1038/ng.2803

小児の急性リンパ芽球性白血病(ALL)の最近のゲノムプロファイリングにより、フィラデルフィア染色体陽性ALLと類似した発現シグナチャーを持ち、予後不良の高リスクサブタイプ(Ph類似ALL)を同定した。しかしPh類似ALL発生における遺伝継承された多型の役割については不明であった。511人のALL症例と6,661人の非ALL対照群を用いたゲノムワイド関連研究(GWAS)により、Ph類似ALL感受性座位(GATA3、rs3824662、Ph類似ALL対非ALL についてP = 2.17×10−14、オッズ比(OR) = 3.85、Ph類似ALL対非Ph類似ALLについてP = 1.05×10−8、OR = 3.25)を見つけ、それぞれ独立した検証を行った。リスク座位rs3824662はPh類似ALLのもとになる体細胞レベルの損傷(CRLF2組換え、JAK遺伝子の変異とIKZF1の欠失)を伴い、GATA3発現の変化を来している。さらに、GATA3のSNPは初期治療の反応性と再発リスクと関連している。我々の知見は遺伝継承された多型ならびに体細胞レベルの多型との相互作用とそのALL発生病理と予後における役割に洞察を与えるものである。

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