特別公開記事Free access
なぜ、NSABBは論文の一部削除を勧告したのか
H5N1インフルエンザウイルスを哺乳類の間で感染できるよう適応させた研究に関する2本の論文に対し、米国のバイオセキュリティーに関する国家科学諮問委員会(NSABB)が、手順などいくつかの詳細な情報を差し控えて公表すべきだとする勧告を出した1。1つは、ウィスコンシン大学マディソン校(米国)および東京大学医科学研究所(東京都港区)に所属する河岡義裕の研究チームの論文で、赤血球凝集素(HA)の型の1つであるH5と、過去にパンデミックを起こしたヒトH1N1ウイルス由来の遺伝子群とを組み合わせたウイルスを作製したところ、ウイルスが哺乳類であるフェレットの間で飛沫感染するようになったことを示している2。もう1つは、エラスムス医療センター(オランダ・ロッテルダム)のRon Fouchierの研究チームの論文で、高病原性鳥インフルエンザH5N1ウイルスを哺乳類に感染できるようにする適応実験の結果を報告している3。Natureは、NSABBの厳しい勧告に際して方針を決定するため、NSABBに、河岡チームの論文に関して今回の結論に至った理由の説明を求めた。これに対し、NSABBの委員長代理であるPaul S. Keimが同委員会の意見をまとめ、回答を寄せた。
未来の超大陸は北極に誕生
将来、形成されると予想される超大陸アメイジアは、北極海に誕生する可能性が。