2009年8月号Volume 6 Number 8

Editorials

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News

火星探査などで要注意なのは、地球の微生物を誤って火星に持ち込んでしまうことだ。興味ある場所に自由に宇宙船を送り込んで調査できるよう、惑星科学者は新しい滅菌法を模索している。

2006 年、天文学者たちは冥王星を惑星の座から降格させて準惑星とした。これとは対照的に、地質学者たちは今回、議論があった「第四紀」を、新たな定義を与えて存続させることになった。「第四紀」というのは、ヒトの出現から現在までを含む最も新しい地質年代区分(紀:period)をさす。この決定は長年続いた論争を決着させた一方で、一部の研究者に疎外感を抱かせることにもなった。

4月6日に起こったマグニチュード6.3の大地震で、ラクイラ大学(イタリア)はほぼ全壊し、今も瓦礫に埋もれている。5月中旬、ノーベル賞生物学者Robert Horvitz(マサチューセッツ工科大学、米国ケンブリッジ)が支援を申し出るために同大学を訪れた。彼は、大テントを埋め尽くした聴衆の前で、プログラム細胞死に関する自らの研究について講演し、表面上だけでも通常の状態に戻そうと努めた。

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News Features

iPS 細胞の研究はスタートして3年あまりが経過し、まさに疾走・爆走状態となっている。Monya Baker が、これまでの経過と今後の課題をさぐる。

細菌と宿主は、生物分類上の「界」が全く異なる。にもかかわらず、それぞれのグループ内でやりとりされる情報を、互いに傍受し、利用しているのだ。Asher Mullardが潜入取材を行った。

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Japanese Author

ウイルスは国境を越え、絶えず形を変えながら私たちの健康を脅かす。世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局に20年勤めた自治医科大学の尾身茂教授はさまざまな感染症と戦い、主に発展途上国で新しい防疫・保健体制を構築して多くの命を救ってきた。現在は日本で新型インフルエンザ対策と地域医療に尽力している。尾身教授のゆるぎない信念の裏側には、現実を見つめる冷静な目と、リーダーとしての絶え間ない努力がうかがえる。日本の感染症対策やWHO での経験、キャリア構築について聞いた。

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News & Views

世界で初めて、導入された外来遺伝子を子孫に継承できる遺伝子改変(トランスジェニック)ザルが作り出された。この成果は、これまで限界があったトランスジェニックマウスを用いたヒト疾患治療の研究にとって大きな一歩となるだろう。

任意に重ね合わせた量子状態を生成する技術は、量子コンピューターを実現するための基本的要素である。今回、超伝導電子回路の中に、こうした複雑な量子状態を思いどおりに作り出す方法が実証された。

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News

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英語でNature

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