2008年10月号Volume 5 Number 10

Editorial

エイズとの闘いは形勢が不利になりつつあるが、現状のような中傷合戦は勝利をいっそう遠ざけるだけである。

Top of page ⤴

News Features

現在、全世界の1年間の発電量は1万8000テラワット時に達しており、人類が消費する総エネルギーの40%近くを占めている。発電の過程で排出される二酸化炭素の量は、毎年、10ギガトン以上に上り、化石燃料に由来する二酸化炭素のセクター別排出量の中で最も多い。しかし、二酸化炭素の正味の排出量がゼロになるような発電技術は既に存在しており、太陽光発電や風力発電から原子力発電や地熱発電まで、多岐にわたる。

かつて、形成されたばかりの内太陽系が猛烈な「爆撃」を受けていた時期があり、それによって月や地球やその他の惑星の姿が大きく変わったといわれている。爆撃は本当にあったのか? いつ、どのような形で起きたのか? 月の南極にある巨大なクレーターが、そのかぎを握っている。Eric Hand記者が報告する。

Top of page ⤴

Japanese Author

窒化アルミガリウムを使い、世界最短波長342nmの紫外半導体レーザの発振に、浜松ホトニクス株式会社中央研究所の吉田治正主任部員らの研究グループが世界で初めて成功した。半導体レーザの核心部である発光層の材料にインジウムを含まない新しい結晶構造で、バイオ、環境、加工など幅広い分野で応用が期待される。成果はNature Photonics 2008年9月号に掲載された。研究の経緯、将来展望について吉田主任部員に聞いた。

Top of page ⤴

News & Views

南アジアの井戸水は広範囲にわたってヒ素で汚染されているが、ヒ素の源については特定されていなかった。このほど、メコン川流域での調査で、汚染は池の堆積物から始まり、地下水の流れによって井戸に達することがわかった。

曲面上にシリコンオプトエレクトロニクス素子を製作する技術は、これまでにない特性を備えた撮像システムを可能にする。この革新的な技術には、さまざまな応用の道が考えられる。

Top of page ⤴

High School Scientist

北京オリンピックの開幕直後、神奈川県横浜市の国際会議場では、昨年に引き続き、理科好きの高校生たちによるスーパーサイエンスハイスクールの生徒研究発表会が行われた。今年の参加校は過去最高の94校にのぼり、このうち31校が口頭発表を行った。研究メンバーによる熱心なプレゼンテーションのようすをお伝えしよう。

Top of page ⤴

News

Top of page ⤴

Snapshot

6月11日に、NASAのガンマ線広域天文衛星(GLAST)が打ち上げられた。その2週間後、主望遠鏡が稼動し始めた途端に、ブレーザー3C454.3から強烈なガンマ線が噴きつけてきた。

Top of page ⤴

英語でNature

今年の夏、米国炭疽菌テロ事件の捜査が幕を閉じました。7年前の秋に発生したこの事件では、政府機関やマスコミに炭疽菌芽胞入りの郵便物が送られ5人が死亡し、世界中にパニックが広がりました。 捜査当局は、事件で使われた炭疽菌がある研究室で管理されていた炭疽菌に由来するものだと科学的に裏づけられたとし、一人の炭疽菌研究者による犯行だと断定しました。 今回は、この事件の捜査によって注目が高まった新たな法医学の分野について、読んでみましょう。

Top of page ⤴