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  • 喫煙が免疫系に及ぼす持続的な影響

    喫煙は、特定の免疫応答に年齢や遺伝学的性質と同程度の影響を及ぼし得ることが、ヒト細胞における研究から分かった。さらに禁煙後も、免疫系に長く持続的な変化を引き起こす可能性が指摘された。

    2024年5月号

  • 接触者追跡アプリで感染リスクを予測

    スマートフォンの接触者追跡アプリが算出したCOVID-19感染リスクスコアから、後日SARS-CoV-2の検査で陽性となる確率を予測できる。こうしたアプリは将来のパンデミック対策で有用なツールとなるだろう。

    2024年5月号

  • 柔軟な半導体繊維がかなえる情報化時代の織物

    繊維に半導体デバイスを埋め込む巧妙な技術によって、長さ数百メートルに及ぶ欠陥のない糸が作製された。こうした糸で織り上げられた織物から、将来のウエアラブル電子デバイスが見えてくる。

    2024年5月号

  • ヒトは「動くDNA断片」によって尾を失った?

    ヒトと類人猿は、他の霊長類と異なり尾を持たない。新たな遺伝学研究で、尾の発生に重要な遺伝子への短いDNA配列の挿入が、ヒトの祖先における尾の喪失につながった可能性が示された。

    2024年5月号

  • つわりは胎児が放出するホルモンと関係する

    胎児が産生するホルモンに対する妊婦の感受性が、妊娠時の重篤な吐き気やおう吐のリスクの原因となっているかもしれない。この知見によって、妊娠悪阻による衰弱性症状の治療戦略開発に光明が差す可能性がある。

    2024年4月号

  • 赤泥から鉄を抽出する

    アルミニウムの製造過程では有害廃棄物の「赤泥」が毎年大量に排出されている。今回、こうした赤泥を製鋼用の鉄の供給源にすることのできる、持続可能と考えられる処理プロセスが開発された。

    2024年4月号

  • 新たな抗生物質で耐性菌を狙い撃ち

    アシネトバクター属細菌Acinetobacter baumanniiの薬剤耐性株によって引き起こされる感染症は、臨床での治療が難しかった。今回、これらの細菌に対処できる可能性のある新しいクラスの抗生物質が特定された。

    2024年4月号

  • ニュートリノ解明は「大気ニュートリノ」で可能

    ニュートリノの性質を探るため、科学者たちは、宇宙を調べたり、実験室で実験を行ったりすることが多い。しかし、地球の大気中で生じたニュートリノを使うことにより、長く解明できなかったニュートリノの性質が分かる可能性があり、その実験計画は既に進んでいる。

    2024年4月号

  • MYCタンパク質はがんのビタミン取り込みを助ける

    がん細胞の栄養素依存性を特定することは、新しい治療法の開発に非常に重要である。今回、アグレッシブなタイプのがん細胞がビタミンB5を大量に取り込むことが見いだされ、ビタミンの利用可能性と腫瘍増殖の間の結び付きが浮き彫りになった。

    2024年3月号

  • 糖尿病予防プログラムの検証

    糖尿病リスクのある人を生活習慣改善プログラムに紹介して、カウンセリングや生活習慣介入を行うと健康状態が改善されることが、英国でのプログラム検証研究によって証明された。ただし、プログラムへの参加を続ければ、の話である。

    2024年3月号

  • 次世代の吸入用ドライパウダーCOVIDワクチン

    現在使われている注射用COVID-19ワクチンは、気道の粘膜組織には強力な免疫を誘導することができない。今回、吸入用ドライパウダー製剤として気道に送達されるタンパク質由来ワクチンが、ワクチン開発を前進させる上で有望なことが示された。

    2024年3月号

  • がんはニューロンの学習機構を乗っ取る

    脳腫瘍の解析から、腫瘍細胞がニューロンとシナプス接続性を増強して、腫瘍プログレッションを促進する仕組みが明らかになった。

    2024年2月号

  • 創薬に有望な原子置換反応の化学

    医薬品関連分子の骨格中の炭素原子を窒素原子に直接置換する、非従来型の変換反応が開発された。この反応で得られる一連の誘導体は、医薬品化学の組織的研究に道を開く可能性がある。

    2024年2月号

  • 火星の深部は軟らかい

    火星内部を伝播した地震波を分析した2つの研究により、火星の中心核とマントル深部の最も明快な描像が得られ、地震波データの以前の解釈の矛盾点が解決された。

    2024年2月号

  • 細菌による防御を促す分子言語が拡張

    細胞は、特殊なヌクレオチドによるシグナルを用いて防御を活性化する。このたび、細菌の研究で、ATP分子とS-アデノシルメチオニン分子の結合によって形成される、これまで知られていなかったクラスのシグナルが明らかになった。

    2024年1月号

  • ヒト族による既知最古の木製構造物

    今回アフリカで、ヒト族が約47万6000年前に木材で構造物を作っていたことを示す証拠が発見され、中期更新世のヒト族に関する貴重な手掛かりが得られた。

    2024年1月号

  • 最初の心拍を調整する

    計算モデルと生きたゼブラフィッシュ胚を用いた実験技術の見事な組み合わせにより、心臓がリズミカルで組織化された拍動を開始する仕組みが明らかになった。

    2024年1月号

  • 受精後2週目のヒト胚モデル

    幹細胞を用いて、受精後2週目のヒト胚に類似したモデルが作製され、ヒト胚では不可能だった研究への道を開いた。

    2024年1月号

  • 28Oの初観測で示された魔法性の消失

    酸素の最も重い同位体28Oは、中性子と陽子が原子核内に強く束縛された「二重魔法数核」だと考えられてきた。今回、この同位体が非束縛状態で存在することが観測によって明らかになり、その魔法性に疑問が投げ掛けられている。

    2023年12月号

  • 仔の鳴き声が母親の神経回路を形成する

    生まれたばかりの哺乳類は皆鳴く。母親を刺激して鳴いている仔の世話をさせる神経回路がマウスで特定された。同時に、仔の鳴き声が長く続いた場合にのみ、母親の子育て行動が促進される機構も明らかになった。

    2023年12月号