Research press release

【炎症】マスト細胞を遮断するとマウスの腸炎が軽減される

Nature Communications

Inflammation: Blocking mast cells reduces intestinal inflammation in mice

このほど、マウスの研究で、抗体を使ってプリン受容体P2X7を遮断すると、腸炎を軽減できることが明らかになった。この新知見は、腸疾患における炎症を遮断するうえで役立つ可能性があり、ヒトのクローン病に伴う炎症の生物学的性質に関する手がかりをもたらしている。この研究結果を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。

今回、國澤純(くにさわ・じゅん)たちは、マウスの研究で、プリン受容体P2X7に結合する抗体を用いることでマスト細胞(炎症に関与する細胞)の活性化を遮断できることを明らかにした。この抗体を化学的に誘発したマウス大腸炎モデルに投与したところ、炎症が軽減されたのだ。また、クローン病患者の組織中のマスト細胞もP2X7を発現することが判明し、このことは、P2X7を標的とした治療法によってクローン病に伴う炎症も軽減できる可能性を示唆している。

これは、大腸炎のマウスの治療法について調べた研究だが、さらなる研究によって、この方法をヒトのクローン病などの炎症性腸疾患に用いる可能性が生まれるかもしれない。

Blocking the purinoceptor P2X7 with an antibody reduces intestinal inflammation in mice reports a study published in Nature Communications this week. These findings could prove useful in blocking inflammation in intestinal disorders and provides insight into the biology of inflammation associated with Crohn’s disease in humans.

Jun Kunisawa and colleagues show in mice that the activation of mast cells - a cell type involved in inflammation - can be blocked by using an antibody that binds to the purinoreceptor P2X7. Treatment of mice with the antibody reduced inflammation in a chemical model of colitis. The team found that mast cells in human Crohn’s tissue also express P2X7, suggesting that targeting this receptor may reduce inflammation in this condition also.

Whilst this study looked at the treatment of mice with colitis, with more study this strategy may be applicable to inflammatory bowel diseases such as Crohn’s disease in humans.

doi: 10.1038/ncomms2023

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

メールマガジンリストの「Nature 関連誌今週のハイライト」にチェックをいれていただきますと、毎週最新のNature 関連誌のハイライトを皆様にお届けいたします。

「注目のハイライト」記事一覧へ戻る

プライバシーマーク制度