Research press release

【環境】海氷によって北極海に運ばれるマイクロプラスチック

Nature Communications

Environment: Sea ice transports microplastics across the Arctic

大量のマイクロプラスチックが海氷に捕捉され、北極海全域に運ばれていることを報告する論文が、今週掲載される。この新知見は、海氷がマイクロプラスチックの一時的な貯蔵庫として働いていることを実証し、気候変動によって海氷の融解が進むと大量のマイクロプラスチックが海洋に放出される可能性があることを裏付けている。

今回、Ilka Peekenたちの研究グループは、氷床コアに含まれるマイクロプラスチック(5ミリメートル未満のプラスチック)の組成と海氷の漂流軌跡を分析し、海氷成長モデルを用いて、海氷の成長過程でマイクロプラスチックが海氷に捕捉された海域を同定した。海氷に捕捉されたマイクロプラスチックのポリマー組成は、氷床コアによって異なっていることが判明し、海氷の起源水域ごとに独自のポリマー組成が同定された。また、Peekenたちは、今回の研究で用いられた海氷試料の起源がアメラジアン海盆とユーラシア海盆にあり、その大部分が、主要な北極海流の1つである北極横断流によって北極海中央部を運ばれてきたことを実証した。

Peekenたちは、北極海中央部におけるマイクロプラスチックの分布がこれまで考えられていた以上に複雑であり、海氷が融解してマイクロプラスチックが放出されると、それらは北極海の表層から深層まで全体にわたって分布する可能性があると主張している。

Sea ice traps large amounts of microplastics and transports them across the Arctic Ocean according to a study in Nature Communications this week. This finding demonstrates that sea ice can act as a temporary sink for microplastics, and confirms that large amounts may be released into the ocean as climate change leads to increased sea ice melting.

Ilka Peeken and colleagues analyse the composition of microplastics (plastics smaller than 5 mm) in ice cores and sea-ice drift trajectories, and use an ice-growth model to identify regions where microplastics become trapped during sea-ice growth. They find that polymer composition varies across ice cores and identify unique compositions for different areas of origin. They also demonstrate that their sea-ice samples originated from the Amerasian and Eurasian Basins, and that most were transported through the Central Arctic via the Transpolar Drift, a major Arctic current.

The authors argue that microplastic distribution in the Central Arctic is more complex than previously considered and that microplastics released from melting sea ice have the potential to be distributed across surface and deeper waters in the Arctic Ocean.

doi: 10.1038/s41467-018-03825-5

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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