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PeakSeqは対照との比較を行うChIP-seq実験の系統的スコアリングを可能にする

Nature Biotechnology 27, 1 doi: 10.1038/nbt.1518

クロマチン免疫沈降法(ChIP)に続いて次世代型の高処理能装置でタグ配列解読を行う方法(ChIP-seq)は、転写調節因子結合部位およびクロマチン修飾部位のマッピングに適した方法として、クロマチン免疫沈降法に続いてゲノムタイリングアレイ解析を行う方法(ChIP-chip)に代わる迅速な方法である。今回我々は、高深度で配列が解読されたヒトRNAポリメラーゼIIおよびSTAT1に関する2組のデータセットを、それぞれ対照の比較用投入DNAとともに利用して、ChIP-seqデータ解析に特有の課題を解決する一般的なスコアリング方法を紹介する。この方法は、潜在的な結合部位が対照のシグナルピークとの強い相関をもつという観察結果に基づいており、開いたクロマチンの特徴を明らかにすると考えられる。我々は、PeakSeqと名付けた2段階の方法を開発してこれを補正した。2段階の方法は、対照の使用で明らかにされる開いたクロマチンが生ずるシグナルを補正する。1段階目は、推定される結合部位を特定し、配列の「マッピング可能部分」のゲノム変異を補正する。2段階目は、正規化した対照と比較して強度の不十分な部位を除外し、正確な強度および有意性の計算を行う。このスコアリング手順は、適切なカバー率に必要な配列解読深度を評価することにより、また3回以上の反復試験から得られる情報が限定的であることを示すことにより、実験デザインの最適化を可能にする。

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