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Nature Astronomy に掲載された一次研究論文(Articles および Letters)について、その概要を日本語で紹介しています。

2017年8月

  • Review Article: 皆既日食による太陽物理学

    Heliophysics at total solar eclipses

    doi: 10.1038/s41550-017-0190

    皆既日食は、太陽風の起源である低層の太陽コロナを研究する唯一の機会である。本レビュー論文では、日食から得られるコロナの科学の最近の進展と、今年の皆既日食に向けた科学研究計画と社会貢献計画が示されている。

  • Letter: 金星の夜側の高層雲に見られる定常波とゆっくりした動きの特徴

    Stationary waves and slowly moving features in the night upper clouds of Venus

    doi: 10.1038/s41550-017-0187

    夜側の金星の雲頂でのビーナス・エクスプレスによる風の観測から、昼側とは異なる描像が示されている。表面の起伏に関係する多くの定常波、および高速と低速の両方の運動(昼間は高速の運動のみが存在する)も確認された。

  • Letter: 火星のトロヤ群小惑星は火星を起源とする

    A Martian origin for the Mars Trojan asteroids

    doi: 10.1038/s41550-017-0179

    火星のトロヤ群小惑星は、この惑星と同じ軌道上を回っていて力学的に関連しており、したがってそれらの起源は共通である。スペクトル観測と力学モデルからの情報を組み合わせたところ、火星のトロヤ群は衝突のあと、火星自身から放出されたことが示唆された。

  • Letter: 磁場の方向と星形成率との関連性

    The link between magnetic field orientations and star formation rates

    doi: 10.1038/s41550-017-0158

    星形成率と分子雲の磁場の整列を組み合わせた研究から、主に磁場が星形成の調整役になっていることが明らかになった。磁場が垂直に整列したところでは星形成が抑制される一方、平行に整列しているところでは星形成が促進される。

  • Letter: マゼラン雲内の若い星団における制動段階に陥った星

    Stars caught in the braking stage in young Magellanic Cloud clusters

    doi: 10.1038/s41550-017-0186

    大マゼラン雲内のいくつかの星団は、ひろがった主系列ターンオフを示しており、構成要素である星の年齢が異なることが示唆される。しかし、もし最初は自転の速かった青色主系列星が制動を受けたとすれば、見かけの年齢の違いは解消される。

  • Letter: 高速に自転し完全に対流状態にある星における強力な双極磁場

    Strong dipole magnetic fields in fast rotating fully convective stars

    doi: 10.1038/s41550-017-0184

    M型矮星は、星の内部の対流運動によって駆動される恒星ダイナモを有している。これまで、こうしたダイナモで生じる磁場の強さは 4キロガウスで飽和すると考えられていたが、この上限が今回、双極ダイナモ状態をもつ 4つの星で破綻した。

  • Article: 変光星の新しい分類としての青色の大振幅脈動星

    Blue large-amplitude pulsators as a new class of variable stars

    doi: 10.1038/s41550-017-0166

    これまで確認されていなかった種類の変光星がOGLE探査データで発見され、約30分の時間スケールの周期的な光度変化、約 0.3等級の振幅、そして約30,000ケルビンの温度という特徴があった。これらは進化した低質量星の可能性がある。

  • Letter: 乱流による分裂で形成される離れた連星

    Formation of wide binaries by turbulent fragmentation

    doi: 10.1038/s41550-017-0172

    多重星は円盤の分裂あるいは乱流による分裂のどちらかを通じて形成されたと考えられているが、乱流の分裂は観測によって明確に確認されたわけではない。今回、乱流による分裂の証拠である、離れた連星系をとりまく整列していない円盤について報告されている。

  • Letter: 現在の中心ブラックホールに課される普遍的な最小質量スケール

    A universal minimal mass scale for present-day central black holes

    doi: 10.1038/s41550-017-0147

    局所的に高密度な環境から星を降着させる低質量ブラックホールは、最初の質量に関係なく、ハッブル時間を通して太陽質量の105倍という最小質量以上に成長する。このことは、なぜ現在まで中間質量ブラックホールが存在しないのかという説得力のある説明となる。

2017年7月

  • Review Article: 星形成に及ぼす超大質量ブラックホール成長の影響

    Impact of supermassive black hole growth on star formation

    doi: 10.1038/s41550-017-0165

    活発に降着を受けている超大質量ブラックホールからのフィードバックは、銀河の進化において重要であると考えられる。銀河における星形成に及ぼすこのフィードバックの影響について、理論および観測の結果を概説する。

  • Letter: コンドリュール中の酸素同位体に記録された原始惑星系円盤内のケイ酸塩–SiO反応

    Silicate–SiO reaction in a protoplanetary disk recorded by oxygen isotopes in chondrules

    doi: 10.1038/s41550-017-0137

    非平衡エンスタタイト・コンドライトの酸素同位体は、3酸素同位体プロット上で急峻な勾配を示す。このことは、太陽系原始惑星系円盤初期の段階におけるケイ酸塩–SiO反応の発生によって説明できる。

  • Letter: オリオン電波源Iにおける円盤によって駆動された回転双極アウトフロー

    Disk-driven rotating bipolar outflow in Orion Source I

    doi: 10.1038/s41550-017-0146

    速度のトレーサーに Si18O を用いて、大質量の若い恒星によって放出される磁気遠心力円盤風で駆動された、回転アウトフローについて報告する。この回転は、アウトフローにより角運動量が除去されている証拠である。

  • Letter: HH 212の最内縁部の円盤から放出される回転する原始星ジェット

    A rotating protostellar jet launched from the innermost disk of HH 212

    doi: 10.1038/s41550-017-0152

    原始惑星系円盤の表面から生じる円盤風は、円盤半径およそ10au外側から角運動量を除去する。Leeたちは、残りの角運動量が10auより内側の半径で除去され、これが、0.05auのスケールで放出される高度に絞り込まれたジェットによるものであり、その結果として降着が可能になることを明らかにした。

  • Article: 観測されたグリッチの最大値からパルサーの質量を絞り込む

    Constraints on pulsar masses from the maximum observed glitch

    doi: 10.1038/s41550-017-0134

    パルサーの回転数である「グリッチ」の最大値を用いるという革新的な方法により、この質量を絞り込むことができる。すなわち、グリッチが大きいほど質量は小さくなる。この手法は、グリッチの観測されるすべての天体の質量を推定するために用いられる。

  • Letter: 銀河団でもっとも明るい銀河の100億年間におよぶ整列

    Ten billion years of brightest cluster galaxy alignments

    doi: 10.1038/s41550-017-0157

    銀河団でもっとも明るい銀河は、近傍宇宙で銀河の集まっているフィラメントに沿っていることが知られている。本論文ではこの相関が、宇宙の年齢が現在のわずか3分の1であったころまで遡ることを明らかにする。このことから、もっとも明るい銀河団銀河に特有の歴史が確かなものとなった。

  • Letter: ニュートリノ凝縮の違いで生じる宇宙構造

    Differential neutrino condensation onto cosmic structure

    doi: 10.1038/s41550-017-0143

    N体シミュレーションTianNu中で数百万個の冷たい暗黒物質粒子とニュートリノを共進化させると、同程度の暗黒物質密度をもつ領域であっても、異なるニュートリノ密度をもつ可能性が示される。これらの密度変動は、宇宙構造に影響を及ぼす可能性がある。

  • Article: ガンマ線バーストで生じるニュートリノと光子の真空中における分散特性

    In vacuo dispersion features for gamma-ray-burst neutrinos and photons

    doi: 10.1038/s41550-017-0139

    ガンマ線バーストから生じる超相対論的な光子とニュートリノは、伝搬時間がエネルギーに依存性する可能性を導く量子重力効果を検証する機会をもたらす。天体物理学データの統計解析は、この特性が観測された可能性があることを示している。

2017年6月

  • Letter: 天文学の論文におけるジェンダー・バイアスを被引用数から定量的に評価する

    Quantitative evaluation of gender bias in astronomical publications from citation counts

    doi: 10.1038/s41550-017-0141

    性差別は、広く学術界で、そしてとりわけ天文学界で重要な問題である。女性が著者となっている天文学の論文の被引用数は、男性が著者となっている論文の被引用数よりも系統的に10パーセント低いことが、機械学習の手法を用いた研究で明らかになった。

  • Letter: TRAPPIST-1における7個の惑星の共鳴鎖

    A seven-planet resonant chain in TRAPPIST-1

    doi: 10.1038/s41550-017-0129

    恒星TRAPPIST-1をトランジットし大きさが地球程度である7番目の惑星の軌道パラメータが報告され、同時にこの惑星系の惑星すべてを結びつける複雑な三体共鳴の研究も報告されている。

  • Letter: HAT-P-7 bとほかの高温の巨大系外惑星の磁場強度に課せられる制約

    Constraints on the magnetic field strength of HAT-P-7 b and other hot giant exoplanets

    doi: 10.1038/s41550-017-0131

    磁気流体力学モデルにより、風が変動する高温の巨大系外惑星HAT-P-7 bの大気において光度のピーク位置のずれが変動する理由を説明できる。観測結果を再現するためには、最小でも6Gの磁場強度が必要である。

  • Letter: 超新星残骸RCW 86内部のカルシウム豊富な超新星放出物質で汚染された太陽型星

    A solar-type star polluted by calcium-rich supernova ejecta inside the supernova remnant RCW 86

    doi: 10.1038/s41550-017-0116

    超新星残骸の中心からずれた位置に見えないX線源を伴う連星系に、金属に汚染されたG型星が検出されたことにより、この星がRCW 86における中心核崩壊型超新星に隠れた前駆天体のペアであったことが示唆される。

  • Letter: 原始太陽系星雲の類似天体における巨大惑星形成領域に蓄えられた質量

    Mass inventory of the giant-planet formation zone in a solar nebula analogue

    doi: 10.1038/s41550-017-0130

    ALMAによるうみへび座TW星の観測で、13C18OのJ = 3-2分子線を用いて、巨大惑星の形成が予想される星周円盤の中央面が調べられた。ほかの輝線も用いて、ガスの質量分布、温度、ガスの塵に対する比率が決定された。

  • Article: 古い星の種族における暗い熱核反応型超新星からの拡散した銀河系内反物質

    Diffuse Galactic antimatter from faint thermonuclear supernovae in old stellar populations

    doi: 10.1038/s41550-017-0135

    対消滅してガンマ線放射を生成する銀河系内陽電子の起源は、いまだに議論のある問題である。2つの白色矮星の合体は、こうした陽電子の主な発生源の可能性がある。そのような合体は、低光度の熱核反応型超新星を形成する。

2017年5月

  • Perspective: 信じられないほどのうまい話

    Too good to be true?

    doi: 10.1038/s41550-017-0112

    重力波の検出は、数十年にわたる理論的、観測的、そして技術的なたゆみない成果の頂点である。一方で驚きをもって受け入れられたのは、連星系のブラックホールに由来するこうした初検出の重力波が、実際に理論的に予測されていたことである。

  • Review Article: 惑星状星雲を理解する鍵としての連星

    Binary stars as the key to understanding planetary nebulae

    doi: 10.1038/s41550-017-0117

    惑星状星雲は、従来は単独星の終着点と考えられていたが、単独星のシナリオでは説明できない多様な形態を示している。ほとんどの惑星状星雲は、おそらく連星の相互作用の結果だということが明らかになりつつある。

  • Letter: 太陽大気下部におけるフレア前駆体の高解像度観測

    High-resolution observations of flare precursors in the low solar atmosphere

    doi: 10.1038/s41550-017-0085

    磁気エネルギーは太陽面の爆発的なフレアにエネルギーを供給する。今回、これまでにない解像度の観測によって、太陽大気下部にそのようなフレアの前駆体を確認した。これらの発見は、フレア形成の理論モデルを絞り込む手がかりとなるだろう。

  • Letter: ボイジャーとカッシーニによって観測された太陽圏の泡のような形状

    The bubble-like shape of the heliosphere observed by Voyager and Cassini

    doi: 10.1038/s41550-017-0115

    カッシーニと2機のボイジャーから得られたイオンと中性原子の計測結果がまとめられ、太陽圏が太陽周期に速やかに(2~3年の遅れで)応答することと、よく描かれているような尾を曳いた形ではなく泡のような形であることが明らかにされた。

  • Letter: アスワンのアウトバーストと崖の崩壊の組み合わせから明らかになった彗星67Pの当初のままの内部構造

    The pristine interior of comet 67P revealed by the combined Aswan outburst and cliff collapse

    doi: 10.1038/s41550-017-0092

    2015年7月にロゼッタによって観測された、彗星67Pの核からの明るいアウトバースト的活動は、そのバーストと同時に部分的に崩落した崖が原因であり、これら2つの現象の間に関係性が確かめられた。その崩壊によって、表面下にあった当初のままの氷も露出した。

  • Article: 窒素(N2)、メタン(CH4)、エタン(C2H6)の極低温の液体混合物からタイタンの海に生成される泡の流れ

    Bubble streams in Titan’s seas as a product of liquid N2 + CH4 + C2H6cryogenic mixture

    doi: 10.1038/s41550-017-0102

    タイタンの極領域には液体メタンの湖が点在する。数値モデルでは、リゲイア海と呼ばれる湖の湖床付近で窒素の離溶によって浮上する泡の発生が明らかになり、この湖表面にカッシーニで観測された一時的な発光を説明できる。

  • Letter: 日中よりも薄明時の方が明るいタイタン

    Titan brighter at twilight than in daylight

    doi: 10.1038/s41550-017-0114

    カッシーニのカメラで、異なる角度(0~166°)の軌道からタイタンを観測した結果、この衛星が日中よりも薄明時に明るく見えることが分かった。この効果はタイタンのもやの散乱特性と関係し、太陽系外惑星でも存在しうる。

  • Letter: 励起水素というベールをまとう銀河系

    The Galaxy’s veil of excited hydrogen

    doi: 10.1038/s41550-017-0103

    およそ75万に達するスペクトルを重ね合わせることによって、銀河系ハローのこれまで知られていなかった構成要素が明らかになり、これは、広範囲に分布する中性の励起水素の層で、そこには銀河系のバリオンのかなりの部分が存在する可能性がある。

  • Letter: 再電離時代の非常に暗い銀河の分光観測による確認

    Spectroscopic confirmation of an ultra-faint galaxy at the epoch of reionization

    doi: 10.1038/s41550-017-0091

    ごく初期の宇宙に暗い銀河が今回発見され、これは、深部観測とその銀河からの放射を増光させる大質量銀河団のおかげである。この銀河は、現在まで知られているそうしたわずか5個のうちの1個であり、この発見で、宇宙の再電離の様子が絞り込まれる。

2017年4月

  • Letter: 太陽におけるロスビー波の検出

    The detection of Rossby-like waves on the Sun

    doi: 10.1038/s41550-017-0086

    全球規模のロスビー波は惑星大気に現れ、その惑星の天気に影響を及ぼす。今回、磁場によって駆動される似たような波が太陽で明確に検出された。もしかするとこれを、太陽の活動とそれに関連する宇宙天気の予報に役立てることができるかもしれない。

  • Letter: 隕石中のバナジウムとベリリウムの同位体の変化を結びつけることによって定量化された初期太陽系の放射

    Early Solar System irradiation quantified by linked vanadium and beryllium isotope variations in meteorites

    doi: 10.1038/s41550-017-0055

    カルシウムとアルミニウムに富んだ包有物(CAI)は太陽系で最古の固体であり、この中のベリリウムとバナジウムの存在度から、太陽が若くてより活動的だったとき、短時間(300年間)かつ近距離(⋍0.1 au)でCAIが太陽フレアから段階的な放射を受けたことがわかる。

  • Letter: エンセラダスの南極域の表面下に見られる熱的に異常な特性

    Thermally anomalous features in the subsurface of Enceladus’s south polar terrain

    doi: 10.1038/s41550-017-0063

    カッシーニ搭載のRADARにより、エンセラダスの「タイガー・ストライプ」付近の領域が探査された。その結果、表面下は温暖で温かな亀裂も存在することが明らかにされ、この衛星の氷の地殻がこれらの地点でわずか数キロメートルの厚さであることが示されている。亀裂が休止状態であることから、地質学的活動は間欠的であるようだ。

  • Letter: すべての微惑星はカイパーベルト付近で連星系として形成された

    All planetesimals born near the Kuiper belt formed as binaries

    doi: 10.1038/s41550-017-0088

    異常な特性をもったカイパーベルト天体(KBO)がいくつか(同じタイプのKBOはふつう赤みがかっているが、これらは青みがかった色で、すべて連星である)発見され、太陽系のもっとも外側の領域での形成過程における制約が得られる。

  • Letter: ブラックホールの質量スケール全般にわたるブラックホール・ウインドの磁気的な起源

    Magnetic origin of black hole winds across the mass scale

    doi: 10.1038/s41550-017-0062

    超大質量ブラックホール周囲のアウトフローに対する磁気流体力学的なモデルは、恒星質量ブラックホール周囲のアウトフローのX線特性も再現できる。このことは、磁力がこれらのウインドを駆動する上で普遍的な役割を果たすことを示している。

  • Letter: 老いた散開星団における星の自転の整列

    Spin alignment of stars in old open clusters

    doi: 10.1038/s41550-017-0064

    Corsaroたちは星震学を用いて、2つの老いた散開星団内の星の自転軸を計測し、多数の星の間で自転軸が整列していることを明らかにした。これは母体となった分子雲がもともと持っていた角運動量の痕跡であると考えられる。

2017年3月

  • Perspective: 非バリオン暗黒物質理論の進展

    Growth of the nonbaryonic dark matter theory

    doi: 10.1038/s41550-017-0057

    宇宙に見えない物質があることを示唆する最初の手掛かりから、暗黒物質について現在得られている多くの証拠まで、James PeeblesがInsight Perspectiveで、1970年代に大きく進展した観測と理論を概説する。

  • Review Article: 暗黒物質はどのように認識されてきたか

    How dark matter came to matter

    doi: 10.1038/s41550-017-0059

    暗黒物質は、その存在量にもかかわらず、徐々に受け入れられていった。Jaco de Swartらは、暗黒物質が宇宙論へといかして発展してきたかの歴史を再構成し、暗黒物質について特集されたInsights中のReview Articleで概説している。

  • Letter: 6.5パーセク離れたところにあるK型矮星をトランジットする2つの大質量岩石惑星

    Two massive rocky planets transiting a K-dwarf 6.5 parsecs away

    doi: 10.1038/s41550-017-0056

    近傍の惑星系に、我々から見て親星の正面をトランジットしている2個の地球型惑星が発見された。トランジットする地球型惑星は、それらの大気を含め詳細な特性を評価することができるため、探し求められていたものだ。同じ惑星系にそのような2個の惑星をもつものは非常に珍しい。

  • Letter: 汚染された白色矮星系にある周辺を取り巻く周連星デブリ円盤

    A circumbinary debris disk in a polluted white dwarf system

    doi: 10.1038/s41550-016-0032

    Ferihiらによると、「汚染された」白色矮星を含む連星系には、安定で岩石質の周連星デブリ円盤が存在しているに違いないらしい。したがって、大きな微惑星の形成や、地球型惑星となりうる惑星の形成は、このような系では確実で一般的であるに違いない。

  • Letter: 近傍のきわめて明るい赤外線銀河F01004-2237における潮汐破壊事象

    A tidal disruption event in the nearby ultra-luminous infrared galaxy F01004-2237

    doi: 10.1038/s41550-017-0061

    星が大量に形成されている環境は、星の潮汐破壊現象により大きく寄与するが、これは、スターバースト銀河内の超大質量ブラックホールに降着している星の残骸が検出されたことから明らかになった。

  • Letter: 10年間にわたって持続しそうな潮汐破壊現象

    A likely decade-long sustained tidal disruption event

    doi: 10.1038/s41550-016-0033

    超大質量ブラックホールにより長期間にわたって持続するこれまで例を見ない星の破壊現象が、ここ10年ほどで明らかにされてきた。スペクトルの情報からは非常に効率的な降着が考えられるが、最近の観測ではもっと穏やかな降着モードへ移行しているような兆候が見られる。

  • Letter: ビッグバンから20億年後の原始銀河の類似天体

    Analogues of primeval galaxies two billion years after the Big Bang

    doi: 10.1038/s41550-017-0052

    中程度の赤方偏移を示す銀河を選び出すと、このグループは、原始銀河に似ているように見える。原始銀河に似てそれよりも近いこうした銀河のスペクトルを解析して化学組成とイオン化準位を求めることで、暗すぎてよく研究されていない銀河の理解が進展する。

2017年2月

  • Letter: 磁気圏の風によって月まで運ばれた生命活動由来の地球の酸素

    Biogenic oxygen from Earth transported to the Moon by a wind of magnetospheric ions

    doi: 10.1038/s41550-016-0026

    月の土は地球からの酸素イオンを含み、この酸素は地球の大気を逃れて磁気圏の風を通じて月に届いたものであるという証拠が示された。月の表面は地球の大気の歴史についての手掛かりを有している可能性がある。

  • Letter: オルドビス期に一般的だった珍しい隕石

    Rare meteorites common in the Ordovician period

    doi: 10.1038/s41550-016-0035

    地球に落下する隕石の組成が時代とともに変化するという初の実験的な証拠を、Heckたちが明らかにした。4億7千万年前の隕石の分布は、小惑星帯で起こった現象に関係した影響により、現在とかなり違っていた。

  • Letter: カロンを形成した巨大衝突によってできた冥王星の暗い赤道領域

    The Charon-forming giant impact as a source of Pluto’s dark equatorial regions

    doi: 10.1038/s41550-016-0031

    ニューホライズンズ探査機は、冥王星の赤道領域にあるおそらく有機物からできていると考えられる巨大で赤みがかった領域について明らかにした。本論文では、冥王星最大の衛星カロンを形成したまさに同じ巨大衝突によってその領域が形成されたことを明らかにする。

  • Letter: 修正された17Oの陽子捕獲率によって明らかになった隕石小片の起源

    Origin of meteoritic stardust unveiled by a revised proton-capture rate of 17O

    doi: 10.1038/s41550-016-0027

    隕石小片の同位体分析は、その起源となる特定の天体をいまだに特定できていない。修正された17Oの陽子捕獲率は、中間質量(太陽質量の4倍から8倍)の恒星が大部分の隕石小片の源であると突き止めるのに役立った。

  • Letter: ダイポール・リペラー

    The dipole repeller

    doi: 10.1038/s41550-016-0036

    密度過少領域であるダイポール・リペラーの存在が、局部銀河群の速度場の研究に基づいて予測された。このスーパーボイドとシャプレー超銀河団の複合効果が局部的な宇宙の流れを調整している。

  • Letter: 孤立した矮小銀河群からの低質量での階層的形成の直接的な証拠

    Direct evidence of hierarchical assembly at low masses from isolated dwarf galaxy groups

    doi: 10.1038/s41550-016-0025

    階層的成長について現在受け入れられているモデルである、暗黒物質が支配的な宇宙は、孤立した矮小銀河群がまれであることを予測している。そのような系が7つ発見されたことは、それらが現在の中間質量銀河の構成要素であることを示している可能性がある。

  • Article: 連星系であるさそり座AR星における白色矮星パルサーの偏光の証拠

    Polarimetric evidence of a white dwarf pulsar in the binary system AR Scorpii

    doi: 10.1038/s41550-016-0029

    偏光した放射の周期的なパルスと強い磁場が白色矮星の連星系に発見された。これらの発見は、これまで中性子星のみに関連するとされていたパルサー状の放射機構を裏付けている。

2017年1月

  • Review Article: 惑星探査の3つの時代

    Three eras of planetary exploration

    doi: 10.1038/s41550-016-0010

    惑星の形成と進化において重要な未解決の問題を、水を基本的な共通主題として解説し、惑星や系外惑星の研究者たちがそれらを解決する上で互いにどのように協力できるかを述べている。

  • Letter: 銀河団の衝撃波で起こる電子の再加速

    The case for electron re-acceleration at galaxy cluster shocks

    doi: 10.1038/s41550-016-0005

    銀河団同士の合体から得られた多波長観測データから、活発に降着を受けているブラックホール付近から放出された相対論的電子が、銀河団の衝撃波のところで効率的に再加速されて、拡散した電波放射を特徴的に生成していることが明らかになった。

2016年12月

  • Letter: 南極大陸のドームAに開いたテラヘルツ波長と遠赤外線波長での窓

    Terahertz and far-infrared windows opened at Dome A in Antarctica

    doi: 10.1038/s41550-016-0001

    南極大陸のドームAで得られた20μmから350μmの間の大気スペクトルの解析により、地上からでは一般に水蒸気の波長帯に妨げられるテラヘルツ波長と遠赤外線波長の天文観測にとって、この地が年間を通じてきわめて好条件にあることが示された。

  • Letter: カー・ブラックホールによる潮汐破壊事象としての超高光度トランジェント天体 ASASSN-15lh

    The superluminous transient ASASSN-15lh as a tidal disruption event from a Kerr black hole

    doi: 10.1038/s41550-016-0002

    トランジェント天体ASASSN-15lhはこれまで、発見された超新星の中でもっとも明るいものであるとされていた。しかし現在では、そのフレアが潮汐破壊事象であり、高速回転するブラックホールが隣接する星を引き裂いているものであるという説得力ある証拠が存在している。

  • Letter: 高温のガス惑星 Hat-P-7bでの大気の変動

    Variability in the atmosphere of the hot gas giant Hat-P-7b

    doi: 10.1038/s41550-016-0004

    高温で巨大な太陽系外惑星HAT-P-7bの位相曲線におけるピークの時間変動は、この惑星大気の風速と雲量の変化で説明される。これまで、このような「天気」は太陽系外の巨大惑星では観測されていなかったものだ。

  • Letter: 影になったケレス北部領域に存在する表面の水氷堆積物

    Surface water-ice deposits in the northern shadowed regions of Ceres

    doi: 10.1038/s41550-016-0007

    準惑星ケレスの北極領域にある10個のクレーターの永久影の中に明るい堆積物が発見され、そのうち少なくとも1つは水氷からできていることがわかった。このことは、ケレスが月や水星のように、高緯度域で水氷を逃さずに保持していることを意味する。

  • Video: 永久影にある水氷

    Water in the shadows

    doi: 10.1038/s41550-016-0030

    このビデオは私たちを太陽系の中でもっとも低温で、暗い場所であるケレスの極領域にあるクレーターへと連れて行ってくれる。ケレスは小惑星帯の中でもっとも大きな小惑星である。NASAのドーン探査機によって撮影された新しい画像は、太陽の光が決して当たることのないクレーターのいくつかにとらえられた水氷を明らかにした。ケレスは現在のところ永久影の領域に水氷が確認されている、月そして水星に続く三番目の惑星体である。ケレスの明るく輝いた水氷を理解することによって、将来の恒久的な月面基地の建設に備え、大気のない月やほかの惑星体の水についての理解を深めたいと望んでいる。

  • Letter: 光原子時計を用いた実験から暗黒物質に課される制約

    Experimental constraint on dark matter detection with optical atomic clocks

    doi: 10.1038/s41550-016-0009

    トポロジカルな欠陥(たとえば、宇宙ひも)の形で暗黒物質を検出するため、単一光原子時計を用いた実験装置が提案されている。検証ではこれまでと同様な実験に比べて、およそ3倍の感度が示された。

  • Letter: 銀河系質量をもつ90億年前の銀河の祖先に見られる大規模な分子ガスリザーバー

    Large molecular gas reservoirs in ancestors of Milky Way-mass galaxies 9 billion years ago

    doi: 10.1038/s41550-016-0003

    恒星質量と星形成速度が、天の川銀河の85億年前の主な前駆天体と同程度である複数の銀河から得られた低温分子ガスの計測結果によって、星形成の物理が現在見られるものと同様であることが明らかになった。

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