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Volume 23 Number 7

表紙について

M Crespoたちは、増殖因子とWNT経路の調節因子とを段階的に投与することで、ヒト誘導多能性幹細胞(iPSC)から大腸オルガノイドを形成させる過程を設計し、実際にこの方法を使って、家族性大腸腺腫症(FAP)患者由来のiPSCからオルガノイドを作製した。さらに、このオルガノイドを使って薬剤スクリーニングを行い、ATM変異を持つFAP細胞由来のオルガノイドでは、抗生物質のジェネティシンが異常なWNTシグナル伝達を抑制することを明らかにした。表紙イラストはFAP-iPSC由来の大腸オルガノイドの共焦点投影像に基づくもので、大腸マーカーCDX2を緑色に、増殖マーカーCD1を赤色に着色してある。青色はDAPIである。
画像提供:Miguel Crespo、図版制作:Erin Dewalt LETTER p. 878

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注目のハイライト

その他のハイライト

Editorials

オピオイド常用癖の神経生物学的性質に対処する

Battling the biology of opioid addiction p.790

doi: 10.1038/nm.4374

News

NEWS FEATURE:病気に関わる「動く遺伝子」を捕まえる:バーバラ・マクリントックが斑入りのトウモロコシの研究で1950年代にその存在を予測した「可動性遺伝因子」は、1970年代になって続々と発見された。さらに最近になって、ヒトゲノム中の可動性部分が、がんから糖尿病まで、命に関わる幅広い疾患に関与している可能性を示す証拠が増えつつある。しかしこれらが有益な働きをしていることを示唆するデータもあり、ジャンクDNAとみなされてきた可動性遺伝子の偽遺伝子やレトロ遺伝子としての働きや健康との関わりに注目して、遺伝データを見直す研究が始まっている。

Medicine's movable feast: What jumping genes can teach us about treating disease p.791

doi: 10.1038/nm0717-791

NEWS FEATURE:真価を問う:オルガノイドは、薬剤の有効性の検証や疾患のモデリングなど、臨床研究のための有用な手段となりつつある。まれな変異を持つ患者の細胞から作製したオルガノイドが治療用の薬剤の選定に使われて成功を収めており、がんや嚢胞性繊維症のような遺伝病についても、オルガノイドモデルを使用して以前より格段に増えた治療選択肢を探る例が多くなっている。今後は、オルガノイド実験で得られたex vivoデータをどのように臨床治療に取り込むかといったトランスレーショナル研究や、オルガノイドの作製にかかる時間を短縮し...

Put to the test: Organoid-based testing becomes a clinical tool p.796

doi: 10.1038/nm0717-796

News & Views

低温適応に胆汁酸合成が果たす意外な役割

An unexpected role for bile acid synthesis in adaptation to low temperature p.800

doi: 10.1038/nm.4365

Perspective

インスリン抵抗性:肥満と2型糖尿病でのインスリンの作用と抵抗性

Insulin action and resistance in obesity and type 2 diabetes p.804

doi: 10.1038/nm.4350

Brief Communication

がん治療:mRNAにコードさせた二重特異性抗体によるマウスの大きな腫瘍の除去

Elimination of large tumors in mice by mRNA-encoded bispecific antibodies p.815

doi: 10.1038/nm.4356

Letter

大腸がん:ヒト誘導多能性幹細胞から作られた大腸オルガノイドを使った大腸がんモデル作製と薬剤評価

Colonic organoids derived from human induced pluripotent stem cells for modeling colorectal cancer and drug testing p.878

doi: 10.1038/nm.4355

Articles

脊髄損傷:反応性アストロサイトとI型コラーゲンのインテグリン–N–カドヘリン経路を介した相互作用は、脊髄損傷後のアストロサイト瘢痕形成を誘導する

Interaction of reactive astrocytes with type I collagen induces astrocytic scar formation through the integrin–N-cadherin pathway after spinal cord injury p.818

doi: 10.1038/nm.4354

肝疾患:暖かでストレスのない飼育環境はマウスで非アルコール性脂肪肝を悪化させ、新たな性非依存的疾患モデルが作られる

Thermoneutral housing exacerbates nonalcoholic fatty liver disease in mice and allows for sex-independent disease modeling p.829

doi: 10.1038/nm.4346

代謝:マウスで見られるコレステロールの胆汁酸への低温誘導性の変換は腸のマイクロバイオームを適合させ、適応性熱産生を促進する

Cold-induced conversion of cholesterol to bile acids in mice shapes the gut microbiome and promotes adaptive thermogenesis p.839

doi: 10.1038/nm.4357

糖尿病:メトホルミンは治療未経験の2型糖尿病患者の腸内マイクロバイオームを変化させ、これはメトホルミンの治療効果の一因となっている

Metformin alters the gut microbiome of individuals with treatment-naive type 2 diabetes, contributing to the therapeutic effects of the drug p.850

doi: 10.1038/nm.4345

肥満:腸マイクロバイオームおよび血清メタボロームの肥満時および減量介入後の変化

Gut microbiome and serum metabolome alterations in obesity and after weight-loss intervention p.859

doi: 10.1038/nm.4358

腎細胞がん:VhlTrp53およびRb1の複合変異はマウスで淡明細胞型腎細胞がんを引き起こす

Combined mutation in Vhl, Trp53 and Rb1 causes clear cell renal cell carcinoma in mice p.869

doi: 10.1038/nm.4343

Technical Reports

HIV-1:新規の解析法により明らかにされた、静止期CD4+ T細胞中の誘導性で複製能を持つHIV-1の大きなリザーバー

Novel assay reveals a large, inducible, replication-competent HIV-1 reservoir in resting CD4+ T cells p.885

doi: 10.1038/nm.4347

画像化法:ISDoTは変性していない細胞外マトリックスの高分解能画像化とプロテオーム解析のためのin situ組織脱細胞化法である

ISDoT: in situ decellularization of tissues for high-resolution imaging and proteomic analysis of native extracellular matrix p.890

doi: 10.1038/nm.4352

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