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iPS細胞に問題あり?
成体細胞は、胚の細胞と全く同じ状態には再プログラム化されないようだ。
液晶ディスプレイの透明電極など、酸化物エレクトロニクスの研究が大きな展開を見せている。その代表選手ともいえるチタン酸ストロンチウム(STO)で、極めて興味深い性質が明らかになった。なんと、結晶をへき開、つまりただ割るだけで、表面が導電状態になったのだ。物理学の新たな謎、工学の新しい可能性が生まれたわけだ。
成体細胞は、胚の細胞と全く同じ状態には再プログラム化されないようだ。
「世界化学年」が始まった。化学の歴史は、他分野の研究基盤となる多くの知見を提供してきた歴史と言ってよい。化学者はこの称賛すべき事実をきちんと伝え、自信をもって未来と向き合うべきだ。
米国とロシアで保存されている天然痘ウイルス株は、今でも有用であり、破棄すべきではない。政治的妥協を図って保存を続けることが最善の道だ。
マウスの視床下部の奥深くに存在するニューロン群は、出会った相手と戦うか、それとも交尾するかの判断にかかわっている。
これまでで最も遠い銀河が発見された。この銀河は単独で存在しており、初期宇宙の天体は予想よりも少ない可能性が出てきた。
ヒトが持つようなアーチ型の土踏まずを、アファール猿人も持っていたことが示され、アファール猿人は樹上生活者でなかったという主張が裏付けられた。
土壌に生息する細胞性粘菌は、食物を節約して「種」とし、別の場所に「まく」という「農業」を行っている。
記憶を強化するための標的になりそうな分子が、ラットの研究で新たに見つかった。
南極の氷の下に完成した巨大なニュートリノ観測所から、新しい物理学につながる知見がもたらされるかもしれない。
患者由来の細胞を再分化させた培養疾患細胞を用いて、治療法の開発を試みる疾患が増え続けている。今回そのリストに、ある心疾患も加わった。
25年前にフラーレンが発見され、その後も、カーボンナノチューブ、グラフェンと炭素材料の新顔が登場した。それらの優れた特性については、さまざまな研究を通して明らかにされてきたが、商品化という点では、当初の期待の割には進んでいない。
日本の医療機関では、精神疾患の診断の補助に、近赤外線イメージング技術を利用するようになってきている。批判派は、この技術を臨床に使う準備が整っているかどうかが疑問だという。
発表された論文が、わずか数日で、ほかの研究者のブログやツイッター上で激しく批判されるケースが増えている。研究者らは、こうした批判にどのように対応するべきか、戸惑いを感じている。
現代を代表する10人の化学者が、これから優先的に取り組むべき課題を挙げ、自らが尊敬する科学者について語った。
生体での多様な働きが研究者の注目を浴び続けているRNA(リボ核酸)。長年、RNAの機能と構造の解析に取り組んできた井上丹教授は、豊富な知識をいかして、新しいRNA分子や反応系を作り出すことにした。そして、誕生したのが「RNAスイッチ」1,2*。病気の予防や治療に広範に利用できると期待されている。
「年を取るにつれて人は賢くなる」と言われているが、年を取ると記憶を保持する能力が低下していくというのが現実だ。しかし、この問題を解決する方法のカギが見つかったかも知れない。アルツハイマー病モデルマウスのニューロンで、シグナル伝達分子EphB2の発現レベルを上昇させたところ、記憶障害が回復したのだ。
2種類の酸化物絶縁体を積み重ねると、両者の界面に導電性の系が生じることが知られている。しかし、意外なことに、酸化物絶縁体をただ割っただけでも、その劈開面で同じ導電現象が現れることがわかった。
Nature 2011年2/3〜2/24号のハイライトを掲載しています。
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基本的には化学系の学生といえど、元々科学(サイエンス)が好きな子ばかりであると思うので、若い学生ほどよく読んでいる気がします。
平易な日本語で科学分野の最新情報が記載されていて、大変読みやすい。自分の専門分野以外の情報を短時間で得ることができる。
Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778