Nature ハイライト

核物理学: EMC効果、再び

Nature 566, 7744

原子核内部に束縛された核子中のクォーク運動量分布は、自由核子のものとは異なる。EMC効果と呼ばれるこの現象は、まだ十分説明されていない。1つの研究方向では、EMC効果と短距離相関(SRC)状態(核子が重なり合って平均より強い相互作用を受け、結果として核子の内部構造が変形する状態)との関連性を仮定する。トーマス・ジェファーソン国立加速器施設(米国)のCLASコラボレーションは最近、重原子核中のSRC対に重点を置いた研究をNatureで報告した。今回CLASコラボレーションは、さまざまな原子核に対して、EMC効果とSRC存在比を同時に高い精度で測定した結果を報告している。この方法により、EMCデータは、中性子–陽子SRC対中の核子構造の普遍的な修正によって説明できることが示されている。実際に、著者たちは、この普遍的な修正関数をデータ主導で導出している。今回の研究によって、束縛された核子の内部構造は、ほとんどの場合修正されていないが、陽子と中性子が一時的にSRC対を作るとかなりの影響を受けるとするモデルに有利な新しい証拠が得られた。こうした知見は、EMC効果のさらなる理論研究を促すと予想される。

News & Views p.332
doi: 10.1038/d41586-019-00577-0 | 日本語要約 | Full Text | PDF
Letter p.354
doi: 10.1038/s41586-019-0925-9 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2019年2月21日号の Nature ハイライト

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