Letter
核物理学:対相関する陽子と中性子の修正された構造
Nature 566, 7744 doi: 10.1038/s41586-019-0925-9
原子核は核子(陽子や中性子)でできており、核子自体はクォークとグルーオンからなる。原子核中に束縛された核子のクォーク–グルーオン構造が周りの核子によってどのように修正されるか理解することは未解決の課題である。EMC効果と呼ばれるそうした修正を示す証拠は35年以上前に最初に観測されたが、その原因の一般に認められた説明はまだない。最近の観測結果は、EMC効果が、原子核中の短距離相関(SRC)した近接する核子の対と関連していることを示唆している。本論文では、EMC効果とSRC存在比を同時に高い精度で測定した結果を報告する。我々は、EMCデータは、中性子–陽子SRC対における核子構造の普遍的な修正によって説明できることを示し、対応する普遍的な修正関数をデータ主導で導出した結果を提示する。この結果から、陽子より中性子がはるかに多い重い原子核ほど、それぞれの陽子がSRC対に属する可能性がそれぞれの中性子のそれより高く、従って、クォーク構造が変形していると示唆される。この普遍的な修正関数は、自由中性子の構造を決定して、量子色力学の対称性を破る機構を検証するのに役立つとともに、核物理学効果とニュートリノ実験における標準模型を超える効果の識別に役立つ可能性がある。

