Nature ハイライト
		
		
        
		
		構造生物学:O抗原多糖輸送体の構造
Nature 553, 7688
細菌細胞の表面にはO抗原のような多糖が散在していて、これらは宿主の自然免疫応答を回避するのに役立っている。グラム陰性細菌では、このような多糖はまず細胞質からペリプラズムへと輸送され、それから外膜に取り込まれる。J Zimmerたちは今回、細菌のO抗原多糖輸送体の結晶構造を報告している。これは細菌の細胞外皮生合成における重要な構造に当たる。ATP結合カセット(ABC)輸送体は通常、交互アクセスモデルによって表されるような働き方をしているが、開いたコンホメーションにあるO抗原輸送体は、ABC輸送体としては異例なことに、膜を貫通する一続きのチャネルを形成している。そのため、多糖は開かれたチャネルを縫うように通っていくという連続的移動機構により輸送されると、著者たちは考えている。
2018年1月18日号の Nature ハイライト
- 微生物学:腸の流行性感染症の出現
- 天文学:星形成の「鍋」をかき混ぜる
- ナノスケール材料:複数の刺激に対して応答する材料
- 気候科学:長期的な地球温暖化の見積もりを絞り込む
- 地球化学:深海の酸素
- 植物科学:細胞表面の相互作用のネットワーク
- がん:高感受性の皮膚がん
- がん:REV-ERBで抑制される腫瘍
- 細胞生物学:ノンストップコドン
- 構造生物学:O抗原多糖輸送体の構造


