Nature ハイライト

学習と記憶:学習と連関する雄特異的ニューロン

Nature 526, 7573

十分研究が進んでいる線形動物Caenorhabditis elegansの神経ネットワークは、網羅的な電子顕微鏡再構築を通して詳細にマッピングされている。しかし今回A Barriosたちは、MCM(mystery cells of the male)と名付けられたこれまで知られていなかった1対の両側性ニューロンを発見した。MCMは性成熟時のC. elegansでグリア細胞の分化転換によって雄特異的に生じ、走化性応答と生殖優先のバランスをとる雄特異型の連合学習に必須である。これらの知見は、性特異的ニューロンの付加が性成熟中の脳回路を再構築する効率的な方法である可能性を示している。著者たちは、グリアが高次の情報処理回路を構築するための神経前駆細胞となることは一般的であると考えられ、おそらくグリアが古くから持つ機能だろうと推測している。

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