Nature ハイライト

微生物学:微生物群集の構造

Nature 521, 7553

多数の種からなる微生物群集で、抗生物質の産生による負の相互作用があるにもかかわらず安定性が維持される仕組みを解明することは、微生物生態学の主要な目標の1つである。抗生物質を介した相互作用の生態学モデルの大半は、種間に「じゃんけん」のような三すくみ関係や空間的分離をもたらすペアワイズ関係を想定している。しかしこれは、群集の種が十分に入り混じったin situでの観察結果を反映していない。今回E Kelsicたちは、そうした旧来の想定ではなく、抗生物質を分解できる1種を含む3種間の相互作用で分析する方法を提案している。著者たちはモデル化と実験による検証を合わせて用い、抗生物質を分解できる種を含むことで、微生物系が種の混合した安定状態に向けてロバストに移行できることを示した。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度