Nature ハイライト

がんゲノミクス:薬剤抵抗性のある卵巣がんのゲノム塩基配列解読

Nature 521, 7553

高悪性度漿液性卵巣がん(HGSC)は、初回化学療法には反応を示すものの、後に抵抗性を生じることが多い。今回D Bowtellたちは、92人のHGSC患者から得た腫瘍と生殖系列のDNA試料について全ゲノム塩基配列解読を行った。その解析から、腫瘍抑制因子RB1NF1RAD51BPTENを不活性化して化学療法抵抗性の獲得に寄与する高頻度の遺伝子破損が見つかった。抵抗性と難治性の原発性HGSCは、CCNE1の増幅と関連していた。抵抗性の獲得は、生殖系列のBRCA1変異やBRCA2変異の復帰、BRCA1プロモーターのメチル化消失、分子サブタイプの変化、薬剤排出ポンプMDR1の過剰発現などの多様な機構と関連していた。

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