Nature ハイライト

医学:T細胞ワクチンの増強法

Nature 491, 7424

H Shinと岩崎明子(エール大学)が、彼らが「prime and pull(準備と動員)」と名付けた新たなワクチン作製方法について報告している。この方法は、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)に対する従来のワクチンによって生じたエフェクターCD8+およびCD4+ T細胞を、感染の起こりそうな粘膜部位に動員して、そこで維持するというものである。HSV-2ワクチンの皮下接種免疫と同時に、T細胞を動員することが知られているケモカインの上皮表面への局所塗布を受けたマウスでは、ワクチンのみを接種されたマウスのウイルス攻撃投与の2週間後の生存率が57%であったのに対して、100%という生存率を示した。この方法は、性感染症に対する現在の細胞性ワクチンの改善につながる可能性があり、著者たちは同じような方法がHIV-1ワクチンの増強にも使えるのではないかと考えている。

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