Nature ハイライト

量子情報科学:ドットの上の量子スピン

Nature 491, 7424

将来の量子ネットワークは、単一電子スピンのような理想的には静止した量子ビット(キュービット)と、光子である「飛行する」キュービットとを組み合せたものになると考えられる。この光子は、遠く離れたキュービット間で量子状態を転送する。そのため、固体プラットフォームにおける単一電子スピンと単一光子との結合は、量子計算・通信分野で長年にわたって重大な問題となっていた。今回、独立した2つのグループが、半導体「量子ドット」構造中に捕獲された単一電子スピンと光子とのエンタングルメントを実証して、この目標を達成した。量子ドットは静止したノードとして作用する。この成果は、長距離量子通信を支える量子ネットワークの最終的な実現に向けた小さな一歩である。

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